医学講座
手あれと手袋①
さくらんぼさんからご質問をいただきました。
手荒れと手袋の関係です。
私たち医療従事者(特に手術をする分野)は
必ず手袋をします。
手術室勤務になった看護師さんは、
手洗いという手の消毒を
毎日、何回もすることになります。
■ ■
手術をする外科系医師も同じです。
医師と看護師の違いは、
手洗いの頻度です。
総合病院や大学病院では、
手術日が診療科によって決まっています。
そのため、
医師が手洗いをするのは、
多くて週に3日程度です。
病院では、
手術室の看護師さんが、
一番、手を荒い、
手袋をつけることになります。
■ ■
手あれには、
もともと個人差があります。
アトピー肌の方や
アレルギー体質の方は、
手も敏感で、
大部分の方が何ともない、
ふつうの手術用手袋で、
手が真っ赤になる人もいます。
■ ■
私は診察したことも、
自分で経験したこともありませんが、
アナフィラキシーといって、
手術用手袋をしただけで、
ショックになって倒れた人も
報告されています。
TV番組のERで
題材となったこともあります。
■ ■
これらのアレルギーは、
ゴム手袋のゴムに含まれる、
ラテックスという物質に対するアレルギーです。
手袋以外に、
コンドームなど、
ゴムを使った製品に触れることにより、
アレルギーを起こします。
こういう方は、
ラテックスフリー(ゴム無し)の製品を使用すると
アレルギーが防げます。
■ ■
医療用には、
低アレルギーの製品。
ラテックスフリーの製品など、
ゴムアレルギーの方にも使える製品があります。
ところが…
ラテックスフリーでも、
手が赤くなる人がいます。
■ ■
手袋には、
すべりをよくするために、
タルクという粉を使用します。
主成分は鉱物の粉のようです。
日本薬局方という
薬事法に定めた製品があります。
この粉に対するアレルギーもあります。
アレルギーの先生は、
さくらんぼさんのように
綿の手袋に重ねたりします。
■ ■
作業用の手袋には、
内面に抗菌剤などの物質が含まれることもあります。
この抗菌剤にアレルギーを起こす人もいます。
結論をいうと、
アレルギーで手があれる人は、
自分に合った製品を見つけるまで、
何回も試行錯誤を繰り返して、
一番、反応の少ない手袋を見つけるのです。
価格が高い製品がよいとも限りません。
明日は、
手あれに対する、
手のケアーについて解説します。