医学講座
学会の準備②
学会の準備で大変なのが、
スライド作りです。
昨日の日記にも書いたように、
私が医師になってから、
約10年程度は、
出入りの薬屋さんに頼むのが…
ごく一般的でした。
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薬屋さんとは、
大手医薬品メーカーのMRさん、
正式には医薬品情報担当者さんです。
ご自分の会社の製品情報を医師へ伝え、
その医薬品を使ってもらうために、
いろいろなサービスを提供してくださいます。
大学医学部を卒業して、
医師国家試験に合格しても…
薬の名前(商品名)はわかりません。
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私たちは、先輩の医師の処方を見て覚えたり、
MRさんから情報をいただいて、
患者さんへ出すお薬の名前を覚えます。
私のように開業してしまうと、
使う薬も一定になるので…
MRさんは、めったに来院されません。
大病院に行くと、
背広を着て、
大きなカバンをもった人を見かけます。
その方が、MRさんです。
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薬剤師免許を持ったMRさんも、
数多くいらっしゃいます。
大学で生物系の学科を専攻した方、
近年は、女性の美人MRさんも多いようです。
人間的に素晴らしい方も多く、
私が担当病院を離れた後も、
親しくしていただいているMRさんも、
何人かいらっしゃいます。
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今から20年くらい前からでしょうか?
公正取引委員会?の指導によって、
MRさんにスライド作りなどをお願いできなくなりました。
薬を売るために、スライドを作るなんて…
禁止されるのが当たり前かもしれません。
そこで、お医者さんは困って…
自分でスライドを作るようになりました。
このスライドを作るのに必要だったのが、
当時、とても高価だったMacでした。
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今ではPCとパワーポイントが
世界中の学会で使われています。
ところが…
ノートPCもないような時代は、
病院や大学の医局で、
100万円近くもするMacを買って…
スライドを作りをしていました。
Macでスライドを作り、
それをフイルムの写真に撮ります。
そのフイルムを現像に出して、
ようやくスライドの出来上がりです。
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‘学会発表のためのスライド作り’
なんてタイトルの本が何冊も出版されました。
今のように、
学会発表がPCでできる時代になるとは、
夢のような話しです。
このスライド作りが…
最初はMacでしかできなかったため、
医師にはMacユーザーが多いのだと思います。
今、必死で発表のビデオを作っています。