医学講座
第58回日本形成外科学会【京都】④
昨日で学会が終わり、
夜、新千歳空港に帰ってきました。
さすがに北海道は寒いです。
京都の比ではありません。
寒くても、
私は北海道がいいです。
道産子ですから、、、
■ ■
今年の第58回日本形成外科学会、
最終日はケロイドを聞いてきました。
ケロイドは、
私たち形成外科医の大敵です。
どんなにがんばっても、
手術だけでは治せません。
英語で発音すると、
Keloidが、
キーロイドと聞こえます。
■ ■
ケロイド治療最前線2014でご紹介した、
小川令先生が
日本医大形成外科の教授にご就任されました。
おそらく、
全国で最年少の形成外科教授です。
すばらしい先生です。
ケロイド治療が進歩すると思います。
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最終日に私が聴いた、
ミニシンポジウム6
ケロイドです。
この中で、
MS6-1 実際のケロイド治療
―完遂できる治療法を目指して―
北海道大学形成外科 林 利彦
MS6-2 小児のケロイド・肥厚性瘢痕に対する治療戦略
―フルドロキシコルチド(ドレニゾン®)テープの有用性―
日本医科大学形成外科 小川 令
…の2つが印象に残りました。
■ ■
北大の林利彦先生は、
以前の院長日記でご紹介した先生です。
林先生は、
患者さんがどのくらいの頻度で通院できるか?
ケロイドの治療に、
毎月いくらまでならお金を出せるか?
そこまで考えて治療をなさっていらっしゃいます。
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ケロイド治療に使うシリコンゲルシートは効果的です。
残念なことに、
【保険適応外】です。
高価なので、
札幌美容形成外科にも在庫はありません。
患者さんには、
北大病院売店のローソンをご紹介しています。
そこで売っています。
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小川先生はケロイドのスペシャリストです。
手術も丁寧でお上手です。
でも子供さんのケロイド治療は、
まず痛くないテープからはじめます。
お母さんが毎日まいにち丁寧に貼る治療です。
通院は、
子供さんの学校が休みの時期です。
■ ■
春休み、
夏休み、
冬休み、
年に3回の通院治療をします。
その間は自宅でテープです。
痛くない治療からはじめて、
どうしてもテープだけでは治らない時に、
手術を考えます。
■ ■
手術の後もテープを続けます。
小川先生のお言葉から、
この子のケロイドを治してあげよう
少しでもよくしてあげたい
…という情熱が感じられました。
とてもよい発表だったと思います。
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林先生も、
小川先生も、
ケロイドの治療は難しいと言うだけではなく、
必ずよくなるからがんばろう
…という
勇気づけ、
元気づけ、
…が大切だと言われました。
治療が難しい疾患だからこそ、
いい先生にしっかり治していただきたいです。