医学講座
保険が効かない医療
昨日の院長日記、
新幹線で焼身自殺に、
焼身自殺をした患者さんを治療しても、
健康保険は使えないと書きました。
自殺と救急医療
2007年5月29日に院長日記です。
美容整形以外にも保険が効かない医療があります。
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自殺は自己の重大な過失による外傷なので
原則的に健康保険は使えません。
救命救急センターに入院すると、
入院費が最高で一ヵ月に1,000万円にもなることがあります。
全身熱傷も治療費が極めて高額になります。
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私が札幌医大在職中に担当させていただた、
ロシアの熱傷患者さんの治療費は
3000万円を超えました。
当時の札幌医大では、
ロシアからの患者さん受け入れの条件として、
治療費をロシア側で支払えること、
ロシア語の通訳をつけることを、
内規で決めていました。
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救命救急センターで困るのが、
海外からの旅行者です。
いい人ばかりとは限りません。
中古車を買いに来た外国人が、
酒に酔って車を運転し、
がけから転落して重傷を負ったことがありました。
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救急搬送された患者さんは、
保険がないからと断ることはできません。
明らかに酒臭くて、
顔も真っ赤になっていて、
ろれつが回らないような人もいます。
外国人にも日本の病院は親切です。
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困るのが医事課です。
高額の請求書を持って行っても、
患者さんは日本語は読めないし、
理解もできないし、
もちろんお金も持っていません。
担当者が苦労して請求していた記憶があります。
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私たちも気をつけなくてはなりません。
海外旅行です。
海外の医療費は高いです。
日本の何十倍もかかる国もあります。
海外旅行に行く時には、
必ず保険に入っていくべきです。
当たり前のことなのですが、
保険証が使えるのは日本国内だけです。