医学講座
赤ちゃんの食事とアトピー
平成27年10月21日(水)朝日新聞朝刊、北海道版に掲載された記事です。
【けんこう処方箋】
アレルギーマーチ防ぐには
KKR札幌医療センター小児センター長_高橋豊
「アレルギーマーチ」という言葉がある。マーチと聞けば、歩調を合わせて行進し軽快な音楽が流れる、楽しいイメージだと思う。だが、アレルギーが付くとそう穏やかでもない。これは、アトピー性皮膚炎を発症すると、食物アレルギー、ぜんそく、アレルギー性鼻炎などへとアレルギーの病気が行進するように次々と現れる現象なのだ。
このように、アトピーは他のアレルギーの病気にも関連している。アトピーを発症した乳児は、色々な食べ物にもアレルギー検査で陽性になる。そうした理由から、アトピーの原因は食べ物にあるという考え方があった。
だが2008年、英国の研究者が「食物は食べるとアレルギーが治る。皮膚から侵入するとアレルギーを起こす」という新しい仮説を発表した。アトピー患者の約3割に、皮膚を守る機能に関連したたんぱく質「フィラグリン」に異常があることも明らかになった。フィラグリンに異常があれば、アレルギーの原因物質が皮膚から体に侵入しやすくなるということだ。
この新しい仮説が正しいとすれば、乳児が生まれて早い段階で正しいスキンケアをして皮膚を保護し、万が一発症してもすぐに治療をすれば、その後のアレルギーマーチを抑えられる可能性があるということになる。乳児のアトピーは4人に1人程度と多く発症するが、症状が重い子どもでも軟膏(なんこう)を使って正しいスキンケアを行えば、比較的簡単に良くなっていく。
アレルギーマーチを予防するために、どう子どもに食べ物を食べさせるか、という考え方も大きく変わった。以前は、両親や兄弟にアレルギーの病気がある場合、妊娠中や授乳中に母親がアレルギーの原因となりやすい食物を制限し、生まれてからも食べさせ始めるのを遅らせることが推奨されていた時代があった。
しかし、新仮説にあるように、こういった予防法に根拠がないことも近年明らかになった。まず赤ちゃんに対してはアレルギーの原因になりやすい卵や乳などを早く与えた方がその食べ物のアレルギー発症を減らすと考えられるようになった。妊娠中や授乳中に母親がそれを摂取すれば、乳児の食物アレルギーが減るという報告も出てきた。
このように皮膚の正しいスキンケアを心がけながら、適切に食べていくことが有効だと考えている。以前の考え方がまだ残ってはいるが、こうした新たな考え方をみなさんに知ってもらえたらと思う。
(KKR札幌医療センター・小児センター長 高橋豊)
(以上、朝日新聞より引用)
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この記事は朝日新聞の北海道版に掲載されました。
私もず~っと間違っていました。
以前は、両親や兄弟にアレルギーの病気がある場合、妊娠中や授乳中に母親がアレルギーの原因となりやすい食物を制限し、生まれてからも食べさせ始めるのを遅らせることが推奨されていた時代があった。
こういった予防法に根拠がないことも近年明らかになった。
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恥ずかしながら、
私もうちの奥さんも間違って覚えていました。
妊娠中や授乳中は、
お母さんはアレルギーの原因となるものは、
食べたらダメだと思っていました。
うちの子がアトピーなのも、
お母さんのせい
…と子どもに言われていました。
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赤ちゃんのスキンケアーは難しいです。
ちょっと油断すると、
真っ赤になってしまいます。
確かに、
傷ついた皮膚からは、
容易にアレルゲンとなる物質が、
体内に入ります。
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乳児が生まれて早い段階で正しいスキンケアをして皮膚を保護し、万が一発症してもすぐに治療をすれば、その後のアレルギーマーチを抑えられる可能性があるということになる。乳児のアトピーは4人に1人程度と多く発症するが、症状が重い子どもでも軟膏(なんこう)を使って正しいスキンケアを行えば、比較的簡単に良くなっていく。
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この記事を読んで、
大切なのは、
スキンケアーを適切にすることだとわかりました。
赤ちゃんの皮膚は薄く、
すぐにただれたり、
血が出たらりします。
適切なスキンケアーをします。
高橋先生ありがとうございました。