医学講座
しみの診断は難しいです
悪性腫瘍についての続きです。
30年以上形成外科医をしている私でも、
黒い皮膚腫瘍の診断は難しいです。
悪性腫瘍を見落とすと大変です。
診断機器などののこともあり、
札幌美容形成外科を開業してから悪性腫瘍の手術はしていません。
市立札幌病院形成外科をご紹介しています。
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顔にできたシミだと思って受診されたら、
悪性腫瘍だったという方がいます。
JA帯広厚生病院形成外科主任部長だった時には、
私が皮膚悪性腫瘍の手術をしていました。
再建手術もしていました。
皮膚科の高木章好先生から、
たくさんの患者さんをご紹介していただきました。
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私は幸いなことに、
皮膚科の名医である高木章好先生が、
皮膚がんと診断をつけてくださった患者さんを、
たくさん手術したことで、
皮膚がんを見る目ができました。
高木先生に感謝しています。
初期の皮膚がんは、
単なるシミなのか?
いぼなのか?
わからないことがあります。
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皮膚科専門医でも、
生検せいけんという、
病理組織検査で確定診断をつけなければ、
良性か悪性かの判断ができないことがあります。
組織検査の結果を見ても、
悪性度の判断に迷うこともあります。
セカンドオピニオンという院長日記に書いた、
子どもさんは組織検査の結果を見直してもらいました。
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私が心配するのが、
【相談無料】の美容外科や美容皮膚科です。
○○スキンクリニックなんて、
ピンクのど派手な看板が目に付きます。
皮膚科専門医ですら難しいシミの診断を、
学生時代に満足に皮膚科の講義も聴かなかった、
なんちゃって美容皮膚科医が、
なんちゃって美容外科医の先輩に教わって、
は~い、
おホクロの治療は簡単ですょ~
なんて治療をしてしまうことです。
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おいおい、
あんたね~
せめてダーモスコピーくらい撮って見ておかないと、
そのレーザーを当てようとしている黒い病変が、
MMえむえむ(悪性黒色腫)だったらどうするの?
訴えられたら、
100%敗訴だょ
…と心配したくなるようなピンクの看板のクリニックが、
そこらじゅうにあることが心配です。
専門医でも難しいのが、
しみの診断です。