二重・眼瞼下垂
眉のアートメイクは入れないでください
札幌美容形成外科で一番多い手術が、
眼瞼下垂症手術がんけんかすいしょうです。
昔は先天性眼瞼下垂症や、
80歳を過ぎた高齢の方に見られる、
加齢による眼瞼下垂症だけを手術で治していました。
私が形成外科医になった頃は、
ほぼ目が開かない方だけを手術で治していました。
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私自身を含めて、
眼瞼下垂症の手術適応が増えました。
松尾清先生と信州大学形成外科の先生による
研究が進んだおかげです。
若い方から、
中高年の方まで、
目を開きやすくする手術が増えました。
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まぶたをチョンと切って、
簡単に縫い合わせればよいというものではありません。
微妙な左右のバランスを見て、
目の開き方を見て、
眉の高さを見て、
できるだけ左右対称になるように手術をします。
それでも再手術や再々手術になることがあります。
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困るのが眉のアートメイクです。
眼瞼下垂症の方は、
ほぼ例外なく眉を上げてものを見ています。
アートメイクで作られた眉は、
本来の眉の位置より下に描かれています。
その状態で眼瞼下垂症手術をすると、
眉と睫毛の間が近すぎる目になります。
左右の目のバランスを見る時にも、
正確に眉の位置を確認できなくなります。
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二重の幅と眉の位置②
2012年1月5日の院長日記です。
眼瞼下垂で眉が上がっている人は、
眉を剃ったり描いたりしています。
一番困るのが…
アートメイクと言われる刺青です。
年配の女性に多いですが…
若い人でもたまにいらっしゃいます。
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濃いアートメイクが入っていて…
色が取れそうもない人。
黒く太いアートメイクが入っていて…
何年も前から変化がない人。
瞼の手術をすると…
必ず眉の位置が下がります。
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アートメイクは皮膚に色素を入れる行為です。
平成13年11月8日
医政医発第105号
厚生労働省医政局医事課長通達を出しています
医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反する行為。
①用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為
② 針先に色素を付けながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為
③ 酸等の化学薬品を皮膚に塗布して、しわ、しみ等に対して表皮剥離を行う行為
つまりこの通達によると、エステの脱毛、アートメイク、刺青師、ケミカルピーリングはみんな医師免許が必要になります。
眼瞼下垂症の人は、
アートメイクは入れないでください。
手術がとても難しくなります。
どうしても入れるなら消える色素を使ってください。
手術前です
手術一ヵ月後です
眉とまつ毛の間が狭くなっています