医療問題
美容医療事故が公表されない特殊理由
私の院長日記がヒットして、
マスコミから取材を受けることがあります。
先日もある新聞社から、
アートメークについて、
電話取材がありました。
時間がある時には、
記者さんがクリニックに来院され、
直接取材を受けることもあります。
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マスコミはいい記事のネタを探しています。
ところが医療事故を取材しようと思っても、
交通事故のように簡単にはわかりません。
交通事故は、
保険会社に保険金を支払ってもらうために、
警察から事故証明を取る必要があります。
医療事故には事故証明がありません。
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交通事故は事故を起こした運転者が、
免停や免許取消という処分を受けます。
医療事故を起こしても、
よほど重大な過失がなければ、
免許取消はありません。
医師免許は医道審議会という機関で審査され、
医師免許取消などの処分が決まります。
医道審議会にかかるまでも時間がかかります。
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市立札幌病院のように、
病院内の事故を公表している病院があります。
ふつうの人が見ると、
札幌の市立病院でこんなに事故があるの?怒
と思うような内容でも、
私たち医療従事者が見ると、
さすが市立札幌病院事故が少ないと見方が変わります。
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私の私見です。
医療事故がない病院はない、
現在の国の対策も不十分です。
美容外科でも事故があります。
大部分は公表されていません。
死亡事故ですら闇に葬られています。
理由は、
うちのかあちゃん、
美容整形で死んだ
って知られたくないからです。
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世間一般に、
まだまだ美容外科に対する偏見があります。
大多数の国民は、
どこの美容外科がいいのかわかりません。
派手に宣伝しているところとか、
割引キャンペーンに目が行きます。
行政の対応も不十分です。
その結果、失明という悲惨な事故が起こることもあります。
還暦を過ぎた私が院長日記で啓発しているのは、
不幸な患者さんを少なくするためです。