医学講座
許認可手続きの問題2015
昨日の院長日記、
自由診療の静脈麻酔
さくらんぼさんからコメントをいただきました。
よい薬なら莫大な費用がかかったとしても
国が医科でも使えるようにするべきだと思います。
私もその通りだと思います。
■ ■
ドルミカムは正しく使うといい薬です。
残念なことに、
日本で認可されている効能効果は、
極めて限られています。
歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静に認められたのも、
2013年12月のことです。
アステラス製薬が販売しています。
■ ■
薬剤の効能効果の申請は、
製薬メーカーが厚生労働省にします。
メーカーは、
当然、申請にかかる費用と、
申請後に得られる利益を計算します。
企業ですから、
莫大な費用がかかるのに、
【赤字】になってまではしません。
■ ■
ドルミカムはいい薬ですが、
価格は意外と安いです。
2015年現在の薬価は、
1アンプル(1本)133円です。
後発品も出ています。
133円の薬が、
一年間にどのくらい売れるのか知りません。
おそらく、
メーカーにとって【もうからない薬】です。
■ ■
私は日本の国の制度に問題があると考えます。
海外で広く用いられている薬剤なのに、
日本で販売するためには、
莫大な費用をかけて、
臨床試験をして、
♡日本人にも安全♡という、
【お墨付き】を与えます。
ここがうさんくさいところです。
製薬メーカーがうその論文を書いて問題になったことがあります。
■ ■
メーカーは高いお金をかけて臨床試験をしても、
薬価という公定価格が安いと大打撃を受けます。
日本の医療費を抑えたいなら、
許認可を簡素化するべきです。
来年の薬価がどうなるか知りませんが、
ボトックスに関して言うと、
日本は世界一高い国です。
同じ製剤なのに、
自由診療で使うボトックスビスタは、
保険で使うボトックスの約半額で流通しています。
こんなことを大々的に言っているのは、
おそらく日本中で私だけです。