二重・眼瞼下垂
まぶたのトラブル症例2017
学会に参加して一番勉強になるのは、
トラブル症例です。
私たち形成外科医は、
白内障手術のトラブルを知りません。
トラブルになった患者さんを診ないからです。
眼科の先生に伺うと、
白内障手術でトラブルになることはあるそうです。
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第28回日本眼瞼義眼床手術学会で見た、
まぶたのトラブル症例です。
私たち美容形成外科医には、
それほど珍しいことではありません。
他院で手術を受けたのに、
まぶたが開かない、
下まぶたがあっかんべーになった、
よくあるトラブル症例です。
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■トラブル1
幅広の平行二重を希望した患者さん、
片方の目だけ、
もうちょっと大きくしたいという希望でした。
担当の先生は、
この程度だったら手術はおすすめしません。
…とご説明されました。
私もちょっとした左右差は、
手術で治すのは難しいとよく説明します。
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満足できなかった患者さんは、
他の形成外科専門医のところに行きました。
みごとに片目だけ、
超幅広の平行二重になりました。
担当の先生は、
これで仕上がりです
いい結果です
患者さんは泣きながら戻ってきました。
残念なことですが腕のいい先生でも簡単に治せません。
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■トラブル2
何度も美容外科手術を受けていらっしゃるご婦人、
美容外科ツアーで、
お隣の国、韓国に行かれました。
下まぶたのたるみとり手術を受けました。
がっつり『たるみ』を取った結果は、
下眼瞼外反症という、
あっかんべー目でした。
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日本に帰国後に受診、
そのままだと角膜障害を起こします。
手術を受けたのは韓国です。
このような患者さんが一番困ります。
美容外科手術後のトラブルには、
健康保険が使えません。
第三者行為による傷病は、
原因を作った第三者に支払い義務があります。
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あっかんべー目を治すのは難しいです。
はっきり言って、
アッカンベー目にしてしまった美容外科医には、
あっかんベー目を治す技量はありません。
結局、私たち形成外科医が治すことになります。
問題は健康保険が使えない場合です。
患者さんに支払能力がないこともあります。
美容外科のローン地獄で、
お財布には借金しかない人もいます。
こんなトラブルを起こさないために、
私はよく学会に参加して勉強しています。