医学講座
第23回日本熱傷学会北海道地方会①
昨日(平成29年2月18日土曜日)、
第23回日本熱傷学会北海道地方会が
市立札幌病院2階講堂で開催されました。
私は23年間この北海道地方会に出席しています。
23年間出席には自分でも驚いています。
勉強になります。
たくさんの救急隊員の方が出席してくださっています。
真剣なまなざしで聞いてくださっています。
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昨日の日本熱傷学会北海道地方会で、
勉強になった発表です。
5.フッ化水素による指尖部の化学損傷の1例
函館中央病院形成外科
〇高橋紀久子、木村 中、本田 進、星野善允
症例は21歳、女性。大学での化学実験中に、50%フッ化水素酸が右環指にかかり受傷した。ただちに流水で洗浄し、当科を受診した。初診時、皮膚発赤やびらんなどの所見はなく、指先のごくわずかの疼痛の訴えを認めた。流水で40分間洗浄後、グルコン酸カルシウムの局注を施行した。受傷2日目、疼痛や皮膚損傷は認めなかったが、受傷3日目、指尖部の側爪郭に小潰瘍を認め、同部位の爪切り、ブラシ洗浄、グルコン酸カルシウムの局注を施行した。その後は速やかに上皮化し瘢痕を残さず治癒した。
考察として、フッ化水素酸が指先にかかった場合には症状がわずかであったとしても速やかな爪切りや抜爪処置を行い有効な洗浄を行う必要があったと反省した。また、グルコン酸カルシウム軟膏も治療に有効であるため本症例を経験後、当院では院内製剤として精製できるようにした。今後、同様の症例がきた場合には速やかに対応したい。
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函館中央病院形成外科の高橋紀久子先生に教えていただきました。
フッ化水素はしみ抜き剤として使用されることがあるそうです。
大切なことは、
フッ化水素が指についても、
最初は、
何ともなく見えることです。
専門医でも誤診する可能性があります。
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財団法人日本中毒情報センター、医師向け中毒情報です
フッ化水素
【概要】
フツ化水素(HF)は25℃では気体で、その水溶液はフツ化水素酸(フッ酸)と呼ばれる。
フロンガス、フッ素化合物の原料となるほか、ガラスの艶消し、半導体のエッチング、金属の酸洗いなど、工業的に広く用いられている。
弱酸ながらきわめて強い腐蝕性があり、その作用は強酸の硝酸や硫酸よりも強い。
また、曝露経路にかかわらず、体内に容易に吸収され、フッ素イオンとして低カルシウム血症等の全身症状を引き起こし、死亡する例もあることがよく知られている。
曝露した場合は汚染除去ののち、充分な循環管理・血中のカルシウム濃度の測定を行い、グルコン酸カルシウムの投与を積極的に行う。
【毒性】
経口:最小致死量1.5g(または20mg/kg)、9%溶液15mLでの死亡報告がある。
吸入:眼と鼻の刺激発現濃度 5ppm(5mg/L)
経皮:100%HF体表2.5%曝露で10時間後に死亡した例がある。(血中フッ素濃度3mg/L、カルシウム濃度2.2 mg/dL)
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治療は高橋紀久子先生のなさった通りです。
グルコン酸カルシウムの局注
速やかな爪切りや抜爪処置
グルコン酸カルシウム軟膏
猛毒のフッ化水素で亡くなった例や、
壊死になった例もあります。
函館の女子大生がよくなってよかったです。
函館中央病院形成外科をおすすめします。
高橋紀久子先生ありがとうございました。