医学講座
実技試験の難しさ
形成外科専門医は信頼できるか?
2017年2月9日の院長日記です。
大部分の方が、
形成外科、
美容外科、
専門医には、
実技試験があると思われるようです。
実技試験はありません。
■ ■
私たちが医師免許を取得する時にも、
看護師免許を取得する時にも、
実技試験はありません。
もっと言うと、
医学部6年間の試験の中で、
実技試験らしい実技試験は一度もありません。
注射の仕方も、
採血の仕方も、
教えることはあっても、
実技試験はありません。
■ ■
現在の医師法や保健師看護師助産師法では、
免許取得前に、
針を刺すことは認められていません。
海外では、
賠償責任保険に入って、
医学生が縫合手術をする国もあるようです。
日本では、
医学生が縫合をすることはありません。
■ ■
専門医試験で実技があるのは、
私が知る限り麻酔科です。
日本麻酔学会では、
私が麻酔科研修をしていた頃から、
麻酔指導医に実技試験がありました。
ネットで調べると、
今は麻酔科専門医にも実技試験があるようです。
ブログに書いている先生もいらっしゃいます。
■ ■
形成外科や美容外科で、
実技試験をする難しさは、
患者さんがいなければ、
実技試験ができないことです。
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こんな広告を出しても応募者はいません。
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大学病院で修行中に手術を覚える時も、
実技試験はありません。
上の先生がやる手術を見て、
手術記録を書いて、
参考文献を読んで、
医局で上の先生に教えてもらって、
ようやく術者としてデビューできます。
最初は助手からです。
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真面目に働いていると、
上の先生から、
本間やってみろ
本間やってもいいよとOKが出て、
手術をやらせてもらえます。
私がJA帯広厚生病院形成外科部長だった時には、
下の先生に手術をやってもらいました。
■ ■
当然のことですが、
下の先生に手術をさせるということは、
もし下の先生が失敗したら…
私がなおさなくてはなりません。
私が全責任を持たなくてはなりません。
専門医試験も同じです。
試験官が全責任なんて無理です。
形成外科や美容外科手術には、
操縦のシュミレーターのようなものはありません。
将来も形成外科専門医実技試験は無理だと思います。