医学講座
形成外科医専門医の仕事
きずを縫うのが上手そうだから、
形成外科専門医に手術をしてもらおう?
…とお考えの方がいます。
いい考えだと思います。
ただ、
形成外科専門医にもいろいろな先生がいます。
肩書きだけで選んではいけません。
■ ■
私は62歳の形成外科専門医です。
札幌美容形成外科を開業して12年です。
48歳で失業するまでは、
大学病院の形成外科や、
大きな病院の形成外科に勤務していました。
はっきり言って、
開業前と、
開業後では、
仕事の内容がまったく違います。
■ ■
大きな病院の形成外科で、
一番多い手術は皮膚良性腫瘍の手術です。
日本形成外科学会の統計でも数字に出ています。
残念ですが、
この院長日記を読んでくださる方が想像するより、
ずっと美容外科に関する手術は少ないです。
眼瞼下垂症手術も、
大きな病院で一年間にする手術件数は限られます。
■ ■
それじゃぁ~先生、
形成外科専門医の先生の仕事は何なの?
もっともな疑問です。
施設によって違いますが、
数として多いのは、
皮膚腫瘍の手術、
悪性腫瘍切除後の再建手術、
褥瘡じょくそうや、
足病などのきずの処置や管理です。
■ ■
大きな病院の形成外科で、
美容外科手術はまずありません。
まぶたのトラブル症例2017
…に書いた、
■トラブル1
幅広の平行二重を希望した患者さん、
片方の目だけ、
もうちょっと大きくしたいという希望でした。
こんな修正が得意な形成外科専門医はまれです。
■ ■
形成外科専門医は、
確かに一定レベルの技量があり、
一定レベル以上の知識はあります。
だから、
その先生が100%信用できるかというと?
残念ですが、
信じてもいい先生の指標にはなりません。
私は、
微妙な左右差は無理に修正しない主義です。
形成外科専門医の仕事は、
患者さんの要求に100%こたえることではありません。
期待はずれでしたらごめんなさい。