医学講座
皮膚腫瘍の手術給付金
札幌美容形成外科で行った手術で、
保険会社から手術給付金が支払われることがあります。
その時に問題になるのが、
どうやら、
筋肉に達しているか?
筋肉に達していないか?
…らしいです。
保険会社から問い合わせが来ることがあります。
■ ■
手術給付金の支払いで、
クリニックでお渡しする、
診療内容を記載した用紙を、
オンラインで送信するだけでいい保険会社もあれば、
医師が診断書を作成する必要がある保険会社もあります。
私は、
診断書でもうけるつもりはありません。
できれば明細書で出してくれる会社がいいと思います。
■ ■
誰が決めた支払基準かわかりませんが、
皮膚腫瘍の手術給付金を、
筋肉に達しているか?
筋肉に達していないか?
…で決めるのは、
医学的にはナンセンスだと思います。
手術の難易度や患者さんの苦痛は、
筋肉に達しているか?
…では決まりません。
■ ■
健康保険で規定しているのは、
皮膚腫瘍の部位
露出部か?
非露出部か?
大きさが2㎝以上か?
…などの規定だけです。
筋肉に達しているかどうかは、
皮膚腫瘍や皮下腫瘍の手術点数には関係ありません。
■ ■
もう少し詳しく解説します。
顔には表情筋と呼ばれる筋肉があります。
まぶたの近くは、
皮膚の下がすぐに眼輪筋という筋肉です。
2㎝未満の皮膚腫瘍でも、
筋肉に達する腫瘍です。
逆に言うと、
注意して丁寧に手術をしないと、
筋肉から出血して、
大きな血腫になることがあります。
■ ■
下の写真は、
私が愛用している、
Sobottaという解剖学アトラスの表紙です。
学生時代には高くて買えませんでした。
絵を見ると、
顔にはたくさんの表情筋があることがわかります。
生命保険会社さんに教えてあげます。
顔面や頚部の皮膚腫瘍は、
皮膚のすぐ下に表情筋や広頸筋という筋肉があるので、
筋肉に達する手術
…になります。