医学講座
保険診療と医師賠償責任保険
昨日の院長日記、
不妊治療の保険適応に賛成ですの続きです。
保険診療には、
患者さん側にメリットがあると同時に、
医療者側にもメリットがあります。
私が強調したいのは、
医師賠償責任保険です。
若い先生に特に伝えたいです。
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医療は自動車の運転と同じです。
いつ、
誰が、
事故を起こすかわかりません。
私はいつも、
事故の加害者にならないように、
細心の注意を払って車を運転しています。
もちろん任意保険にも加入しています。
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現在、日本の損害保険会社が引き受けている、
医師賠償責任保険の多くは、
美容目的の手術は除外されています。
大学病院の形成外科美容外科で、
美容目的の手術をしようとしても、
賠償責任保険の関係で、
麻酔科から断られることがあります。
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メラノーマ誤診の可能性と医師賠償責任保険に書きました。
自由診療で行うホクロ除去手術は、
ふつうの医師賠償責任保険の対象外です。
もし誤診で訴えられても、
医師賠償責任保険は使えません。
ホクロ1個5000円でレーザー治療は、
もしメラノーマだったら大変なことになります。
5000円の治療で訴えられて、
メラノーマを誤診すると、
億単位の賠償金を払うことも考えられます。
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私が医学生の頃から、
10組に1組の夫婦は不妊と言われていました。
国民の多くが望む不妊治療の保険適応は、
医療者側にとってもメリットがあります。
新政権になったら、
少子高齢化をなんとかするために、
国民が願う医療政策を実施してほしいです。
66歳の医師が思うことです。