医学講座
保険診療と医師賠償責任保険
昨日の院長日記、
不妊治療の保険適応に賛成ですの続きです。
保険診療には、
患者さん側にメリットがあると同時に、
医療者側にもメリットがあります。
私が強調したいのは、
医師賠償責任保険です。
若い先生に特に伝えたいです。
■ ■
医療は自動車の運転と同じです。
いつ、
誰が、
事故を起こすかわかりません。
私はいつも、
事故の加害者にならないように、
細心の注意を払って車を運転しています。
もちろん任意保険にも加入しています。
■ ■
現在、日本の損害保険会社が引き受けている、
医師賠償責任保険の多くは、
美容目的の手術は除外されています。
大学病院の形成外科美容外科で、
美容目的の手術をしようとしても、
賠償責任保険の関係で、
麻酔科から断られることがあります。
■ ■
メラノーマ誤診の可能性と医師賠償責任保険に書きました。
自由診療で行うホクロ除去手術は、
ふつうの医師賠償責任保険の対象外です。
もし誤診で訴えられても、
医師賠償責任保険は使えません。
ホクロ1個5000円でレーザー治療は、
もしメラノーマだったら大変なことになります。
5000円の治療で訴えられて、
メラノーマを誤診すると、
億単位の賠償金を払うことも考えられます。
■ ■
私が医学生の頃から、
10組に1組の夫婦は不妊と言われていました。
国民の多くが望む不妊治療の保険適応は、
医療者側にとってもメリットがあります。
新政権になったら、
少子高齢化をなんとかするために、
国民が願う医療政策を実施してほしいです。
66歳の医師が思うことです。
“保険診療と医師賠償責任保険”へのコメント
コメントをどうぞ
先生はいろんな保険に入っているのですね。私の親戚でも従姉妹の半分は子供がいません。保険適用にして欲しいですね。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。私は救命救急センターで仕事をするようになってから保険に入るようになりました。いつどこで事故にあうかわからないという心配。自分が事故を起こして他人に迷惑をかけないようにという思い。自分が負傷しても困らないようにという思いです。不妊治療は早く保険適応にしてほしいです。
不妊治療は莫大なお金が
かかると聞いたことがあります。
お金を費やしてるのに
妊娠できず、夫婦仲にも亀裂が入り
離婚寸前の人がいました。
保険適応にしてもらいたいです。
先生は慎重派ですので
色々な保険に加入されてますね。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。不妊治療は大変です。莫大なお金をかけて妊娠した赤ちゃんが流産して、ご夫妻と両方のご両親から責められたという産婦人科の先生がいました。クリニックによる妊娠率の差もあるそうです。保険適応になって少しでも出生数が増えるといいと願っています。
出来事に100%大丈夫という
ことはないと思うので、
医療者側、患者側の両方に
メリットがあることは積極的に
適用されると良いと思いました。
子供を望んでいるご夫婦の未来が
良い方向へ進んで欲しいと
思います。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。医療事故も交通事故も航空機事故もいつ起こるかわかりません。どんなに慎重に医療行為をしていても不可避な事故もあります。不妊治療が保険適応になるのはとてもいいことだと思います。