医学講座

看護師の喫煙

 平成20年1月19日、北海道新聞朝刊の記事です。
 禁煙訴えているけど
 看護師3割「吸ってます」
 道看護協会調査 職場でストレス
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 道内で働く看護師のうちたばこを吸う喫煙者の割合が30%に上り、道内の女性平均を大幅に上回ることが道看護協会の調べで分かった。
 職場のストレスなどが背景にあるとみられるが、医療機関は禁煙を訴えているだけに、関係者は「もっと自覚を」と呼びかけている。
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 調査は昨年8月に、同協会の全会員約3万7千人を対象に行い、約3万8百人から回答があった。
 回答率は83%で、回答者の95%が女性だった。
 2004年にも約6千人を対象に喫煙率調査をしているが、全会員を対象にしたのは初めて。
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 アンケートでは、たばこを「吸っている」が30%だったのに対し、「吸わない」は55%、「吸っていたがやめた」は15%だった。
 喫煙者の割合は、2007年に全国九地域の中でワーストだった道内女性の19%(日本たばこ産業調べ)を大きく上回り、全国の看護師の20%(2006年)と比べても飛び抜けていた。
 また稚内40%、根室35%など、地方都市で高い傾向があった。
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 どんな時にたばこを吸いたくなるかの問いには、
「イライラした時」が68%、
「酒を飲んだ時」が63%、
「気分転換したい時」が59%と多かった。
そのほか
「緊張を和らげたい時」(30%)、
「憂うつや不安を忘れたい時」(21%)など。
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 喫煙率の高さについて、同協会の高橋慶子常任理事は
「命にかかわる仕事の緊張感や対人関係で、ストレスがかかる職場なのが影響しているのでは」と話す。
 ただ、医療界はたばこの健康被害を訴えてきただけに、
「看護職の喫煙率が高くては患者さんに示しがつかない」と頭を抱える。
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 同協会は2002年に「たばこ対策委員会」を設置。
 2004年の調査で35%だった喫煙率の半減を目指し、
 啓発ポスターの作製や禁煙を推進するリーダーを育成するための講習会などを行ってきたが、今回は5ポイントの減少にとどまった。
 道外では受験資格に「非喫煙者」を条件とする看護学校もある。
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 日本禁煙学会(東京)の理事を務める深川市立病院の松崎道幸主任医長は
「周りに喫煙者が多いから『吸ってもいいや』という意識もあるのでは」と分析。
「分煙ではなく、病院が敷地内禁煙に取り組み、吸えない環境をつくっていくことが大切」と話している。

以上、北海道新聞より引用

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 看護師さんに喫煙者が多いのは昔からです。
 多くの病院でナース・ステーションの横に、休憩室がありました。
 昔は、そこでタバコが吸い放題でした。
 私の記憶では、大学病院と市立札幌病院以外は、ナース・ステーションの横で‘先生’もよく吸っていました。
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 時代は変わって、今や敷地内禁煙が主流となりました。
 敷地内禁煙になっていないと、禁煙指導をしても、料金がいただけないという‘事情’もあります。
 ある‘先生’が、病院でタバコが吸えないなんて、オレに辞めろと言うに等しいと…
 言ったとか言わないとか…
 結局、その先生はお辞めになって開業なさったそうです。
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 私が、禁煙をすすめる一番の理由は、健康上の問題です。
 お肌にも、キズの治りにもよくありません。
 タバコには多くの発癌物質が含まれています。
 毎日、発癌物質を口からノド→肺まで、塗りつけているようなものです。
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 私は、耳鼻科の先生と一緒に、たくさんのガン患者さんの手術をしました。
 口の奥を、咽頭(イントウ)といいます。
 カゼをひくと痛くなるところです。
 ここにガンができると、手術や放射線、抗癌剤で治療をします。
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 カゼをひいてノドが痛いだけでも、苦痛です。
 ここに、ガンができららどんなに苦しいでしょうか?
 声帯にガンができると(下咽頭癌カイントウガンといいます)、声が出なくなります。
 可愛い声が、ガラガラ声になります。
 手術で声帯を取ってしまうと、二度と同じ可愛い声が出せなくなります。
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 食べ物も食べられなくなります。
 1月9日の日記に書いたように、首に穴が開いてしまう人もいます。
 悲惨な結果になる前に、タバコはおやめになるべきです。
 私から、喫煙者の皆様への‘ご忠告’です。

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