医学講座
メールで紹介状は書けません
当院のメール相談で、
お金を払うので、
メールで紹介状を書いてくださいという依頼があります。
残念ですがお引き受けできません。
それは医師法で禁止されている、
無診察診療の禁止に抵触する可能性があるからです。
ネットで、
無診察診療
医師法
非対面診療などを検索すると出てきます。
■ ■
医師法第20条(無診察治療等の禁止)
医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方箋を交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証明書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。
但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。
…という規定があります。
■ ■
つまり、
患者さんを一度も直接みないで、
メールで診断書だけを書いたり、
処方箋を書いたり、
そんなことは法律で禁止しますという規定です。
私たちは医学部で教わりますし、
医師国家試験にも出ます。
あたり前のことだと思います。
■ ■
これを放置すると、
ネットで、
診療情報提供書を書きます
…という商魂たくましい業者さんが出現します。
さくらんぼさんに紹介状を出せたのは、
電話再診という仕組みです。
通院中の患者さんの具合が悪くなった時に、
電話で医師に診察を求めることができます。
■ ■
電話再診料
2007年7月14日の院長日記に書いてあります。
保険の規定には、
電話等再診と書いてあります。
電話とテレビ電話はOKです。
残念なことですが、
聴覚障害者以外は、
ファクシミリや電子メールは不可となっています。
しかも再診だけの規定です。
■ ■
診療所に通院中の患者さんが、
旅先で具合が悪くなった時などに、
先生に電話をして症状を話し、
大きな病院を紹介してもらうことができます。
先生から、
今までの経過などを診療情報提供書に書いてもらい、
病院の地域医療連携室にFAXで送信します。
そうすると紹介されされた先の先生も、
今までの経過がよくわかります。
私はこの仕組みはいいことだと思っています。
“メールで紹介状は書けません”へのコメント
コメントをどうぞ
電話での再診に限りなんですね。 でも知らない土地での病院探しは大変でした。救急車を呼ぼうと思いましたが、その時も以前の診療情報はあったほうがいいですよね。 パニックになっていたのですが お忙しい中本間先生から何度も電話をいただき、迅速に診察していただくことができました。ありがとうございましたm(_ _)m。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。当院にカルテがあって電話で状況をよくお聞きできたのでよかったです。救急車で受診した時は診療情報提供書がなくても、紹介率には影響しないはずです。それでも今までの経過や病歴がわかると診察する医師には役立ちます。自分のことをよくわかってくれているかかりつけ医がいるといいです。
なるほど、再診の紹介状ですね。
初診の紹介状はダメですよね。
今まで考えてもみまさんでした。
さくらんぼさんが救われて良かったです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。電話再診という仕組みがあります。初診から電話OKにしてしまうと電話だけで診療をする医療機関が確実にできると思います。初診で電話は不可のままがいいと思います。