医学講座
ある日突然_薬でショック④
平成28年5月12日(木)昨日の朝日新聞朝刊の記事です。
(患者を生きる:3049)ある日突然_薬でショック④_直接ふれる作業は回避
兵庫県の准看護師の女性(49)は昨年10月、勤務先の総合病院で過って麻酔薬の瓶を床に落として割ってしまい、薬を吸い込んでアレルギーのショック症状を引き起こした。
3時間ほどで意識がはっきりしたが、救急科の部長(63)は「24時間、経過観察をする」と帰宅を認めなかった。ショックで腎臓などの臓器に障害が起きている可能性や、症状が数時間後にぶり返すことを心配したためだ。女性は大事をとって、集中治療室(ICU)に1日入院した。
退院した後も、だるさが残り、食欲がなかった。1週間ほど仕事を休んだ。
出勤すると、上司の師長に呼ばれた。
「この部署は危険だから、麻酔薬をあまり使わない内科に研修に行ってみてはどうでしょうか」
当面の所属は内視鏡検査部門のままにして、内科で働くことと理解した。検査部門の同僚たちも女性の薬剤アレルギーのことは知っていた。それでも、ショック症状で倒れる事態が起きてしまい、責任を感じているようだった。
「周りの人たちに気を使わせて、申し訳ない」と、女性は応じることにした。
内科での仕事は点滴や採血などが主だった。約1カ月後、内科へ正式に異動となった。
ショックで倒れるまでは、「自分が病気やけがをしたときに、アレルギーを起こす薬を使わなければいいだけ」と軽く考えていた。女性は麻酔薬のほかに、一部の抗生剤などでもアレルギーを起こす可能性がある。かつてはそうした薬剤も、医師に手渡すなどしてきた。しかし、再び落とす危険がある。いまは薬剤に直接ふれる作業でなくても、ほかの看護師に代わってもらい、容器にもさわらないようにしている。
病院は、看護師が足りない部署があると、ほかの部署から応援を出すが、女性については麻酔薬を扱う機会が多い部署に行くことがないように配慮している。
職業柄、予想外の事態で薬にさらされることがあると思い知らされた。薬の扱いに一層注意しながら、子どもの頃からのあこがれだった看護の仕事を続けていきたいと考えている。
<アピタル:患者を生きる・ある日突然>
(鍛治信太郎)
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
私はこの看護師さんはラッキーだったと思います。
病院の内視鏡室は、
看護師さんが一人で準備をすることもあります。
たまたま近くに先生がいらして、
たまたま発見が早かったので助かりました。
ICUもあって、
救急科もある大きな病院だと思います。
■ ■
もし一人で勤務していて、
発見されるのが遅かったら、
助からなかった可能性もあります。
農業や林業で、
山で蜂に刺されてアナフィラキシーショックになったら、
助けて~と叫んでも、
誰も近くにいないことが考えられます。
■ ■
この患者さんは看護師さんでした。
看護師さんでも、
今日は死ぬな
もうだめだ
…と昨日の院長日記、
ある日突然_薬でショック③に書いてあります。
いつ何が起こるかわかりません。
アレルギーがある方は、
エピペンという注射を、
先生に処方していただいて持っていると安心です。
“ある日突然_薬でショック④”へのコメント
コメントをどうぞ
この看護師さんは発見が早かったので
助かったのでしょうね。
昔蜂に刺された方は残念ながら
亡くなってしまいました。
報道にショックを受けました。
何かとアレルギー体質なので。
この看護師さんは内科に移れて良かったですね。
恐怖との闘いで仕事するのは心労ですから。
蜂に刺された場合もエピペンでいいのでしょうか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。蜂に刺された時の応急処置は、こちらのページに書いてあります。エピペンは蜂に刺されてアナフィラキシーになった時です。
すずめ蜂では入院する人はたくさんいます。 給食を食べて亡くなったおんなの子もいました。 でも気づいてよかったです
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。スズメ蜂の被害は多いのですね。私は子供の頃にミツバチに刺されたことがあります。