医学講座
麻酔クリーム
先日のメール相談で、
眼瞼下垂症に麻酔クリームは使いますか?
…というご質問をいただきました。
残念ですが、
眼瞼下垂症手術に、
麻酔クリームは使用しません。
その代わり、
他の方法で痛みを軽減しています。
■ ■
麻酔クリームをネットで検索すると、
エムラクリームがヒットします。
日本では、
2012年から
皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和の局所麻酔剤として発売されました。
局所麻酔に使う、
リドカインという麻酔剤に
プロピトカインという麻酔剤を加えてあります。
■ ■
レーザーの麻酔に効きます。
実は、
2012年に日本で発売される前から、
海外で販売されていました。
院内製剤として、
病院で作って使っているところがありました。
私がJA帯広厚生病院形成外科に勤務していた時に、
薬剤部にお願いして作っていただきました。
■ ■
院内製剤を作る場合は、
病院の委員会に申請して、
承認を得て、
薬剤部の先生にお願いしていました。
他大学での実績もあったので、
委員会での承認が得られ、
私も製剤室に行って作りました。
■ ■
当時は、
リドカインの試薬を購入して、
それをすりつぶして、
他の薬も混ぜて作りました。
試薬が高価だったので、
かなり高い薬になりました。
現在販売されている薬は、
薬価が1g176.8円です。
1本5gなので884円です。
■ ■
この薬はいい薬です。
残念なことに、
目に入るのはダメです。
眼瞼下垂症手術のように、
まぶたにつけると、
目に入る可能性があります。
もう一つ使いにくいのは、
皮膚がふやけてしまいます。
■ ■
レーザー照射には適していますが、
眼瞼下垂症手術には向いていません。
国が認めて
保険適応になっているのは、
皮膚レーザー照射療法時の局所麻酔です。
眼瞼下垂症手術や、
皮膚腫瘍手術、
他の処置や注射前の麻酔としては認められていません。
■ ■
ネットで検索すると、
個人輸入で購入するサイトがありました。
この薬は、
劇薬で処方箋医薬品です。
医師の指示がなければ使えません。
リドカインクリームで、
局所麻酔剤の中毒症状になった症例報告もあります。
素人が個人輸入で使うのは危険です。
ちゃんとした病院で使ってもらってください。
■ ■
【訂正と追記です】2016年11月24日
私の不勉強で申し訳ございません。
エムラクリームは、
2015年6月から、
注射針・静脈留置針穿刺時の疼痛緩和の効能・効果
小児に対する用法・用量を追加することが承認されました。
教えてくださった旭川美容外科形成外科クリニックの、
金澤浩之先生に感謝いたします。
“麻酔クリーム”へのコメント
コメントをどうぞ
それぞれに適してる麻酔薬があるのですね。
素人には難しいです。
昨日、潰瘍が治ったか胃カメラを飲みましたが
睡眠薬を大量に服用してるため
セルシンの効きが悪く苦しかったです。
ですが看護師さんが背中を撫でてくれたり
手を握ってくれたりしたので
やはり鼻からキシロカインのみの胃カメラより
私は楽でした。
潰瘍は治りました
が慢性胃炎と逆流性食道炎でした。
先生の服用されている薬と違う薬が
処方されました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。検査が終わってよかったですね。麻酔の効き方は人によって違います。前は効いていたのに効きにくくなることもあります。優しい看護師さんに感謝です。いい病院だと思います。
麻酔クリームと点滴などの麻酔ではクリームの効果の方が効かないのでしょうか?中毒や 皮膚がふやけるのも嫌ですが、ふやけないなら、痛み止めクリームとして使いたいのですが、現在は承認されてないのでだめですね。 中毒と言えば身近なドリンク剤でエナジードリンクを飲みすぎると 中毒症状がでるようです。 眠気防止には効きますが、飲みすぎると とんでもないことになるようです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。麻酔クリームを痛み止めとして使うのは認可されていませんし、おすすめできません。ネットで検索すると個人輸入で入手して使うと書いてあります。危険なのでやめるべきです。エナジードリンクもこわいですね。市販の痛み止めを飲みすぎて中毒症状になり救命救急センターに搬送され、残念なことに亡くなった人を知っています。よく効く薬はこわいです。
院長日記をよみはじめてから1カ月近く、すでにいろいろな病気を知りました。当事者にてとっては、悩みでしよう。本間さんの力で助けてあげて下さい。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。すみれさんにクラス会の連絡を差し上げたのがきっかけでした。昨日は先生と奥様も入れて18人が参加してくれました。前回のクラス会から2人が亡くなりました。いろいろな病気があります。風邪ばかり引いていて弱かった私が元気で働けることに感謝しています。