医学講座
保険証を毎回確認させていただきます
札幌美容形成外科を開業して13年です。
今は形成外科の保険診療がメインです。
保険診療には国が決めたルールがあります。
しっかり守らないと、
【保険医取消】
【査定さてい】
【返戻へんれい】
…というペナルティがあります。
■ ■
札幌美容形成外科は、
優秀な事務員のおかげで、
査定や返戻が少ないです。
保険証をしっかり確認して、
電子カルテに間違いなく入力して、
レセプトチェックを入念にしています。
当たり前のことですが、
保険証の番号を1つ間違っただけで、
請求できなくなります。
■ ■
困るのが、
退職まぎわの手術です。
先生、
3月31日付で退職します。
有給消化期間中に手術をお願いします。
…ダウンタイムが必要な手術なので、
退職日前に手術を希望される患者さんがいます。
私はいいことだと思います。
■ ■
私が必ず確認していることです。
保険証はいつまで使えるか？
会社に確認してください。
患者さんに必ず伝えています。
本人は有給消化と思っていても、
会社によっては、
31日前に退職扱いとなることもあります。
31日退職と、
29日退職では会社の社会保険料負担が違います。
■ ■
問題なのは、
保険証の返還です。
退職日以降でも、
本人が保険証を持っていることがあります。
会社もしっかり説明をしないことがあります。
本人が3月31日退職と思っていても、
実際には3月25日で退職になっていることもあります。
こんな事例がたまにあります。
■ ■
ここからは医療機関側の問題です。
退職日が3月25日ですと、
3月分の保険請求について、
3月25日以前と、
3月25日以降の診療内容について、
協会健保から問い合わせが来ることがあります。
退職日以降の保険診療については、
協会健保が医療費の請求を認めません。
■ ■
保険証を毎回確認していれば、
医療機関側のミスはありません。
札幌美容形成外科を含めて、
多くの医療機関は、
ひと月に1回しか保険証を確認していません。
退職日以降の受診でも、
【保険証を確認】していれば、
返戻されることはありません。
■ ■
残念なことに、
3月20日に保険証を確認して、
3月27日に保険証を確認していなかったために、
3月分の請求全額を返戻されました。
社会保険診療報酬支払基金と、
協会健保に文句を言いましたが、
療養担当規則第3条の、
保険医療機関は、患者から療養の給付を受けることを求められた場合には、その者の提出する被保険者証によつて療養の給付を受ける資格があることを確めなければならない。
この文言によって却下されました。
■ ■
療養担当規則第3条には、
毎回必ず確認とは記載されていないのですが、
協会健保では毎回保険証を確認と言います。
大変申し訳ございませんが、
医療法人札幌美容形成外科では、
協会健保の指導に基づき、
2017年8月から、
毎回保険証を確認させていただきます。
これから開業される先生も気をつけてください。
“保険証を毎回確認させていただきます”へのコメント
コメントをどうぞ
保険証を月一で確認のために
必ず提示を病院で求められます。
以前に父の通院してる病院に、
保険証の提示を求められました。
忘れてしまったので
先月と変わってませんと言ってたら
受付の女性が
皆さん、そうおっしゃるんですっ！！
と少し激しかったです。
あーこの女性は仕事を精一杯真面目に
こなそうとしてるのに
私は悪かったなぁと思いました。
それから保険証を忘れたことはありません。
本間先生の病院では
確実にする為
毎回になるんですね。
いい事ですね。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。ふつうの医療機関ではひと月に一度です。毎回確認でもいいのですが、ただ確認したという記録をするだけで、確認した情報を送信するのでもありません。他人の保険証で受診されても年齢と性別しか記載されていないので本人だと信用するしか方法がありません。これだけ情報が発達した世の中なので将来はオンラインで確認できるといいです。
私のかかりつけの内科では毎回 保険証とお薬手帳を見せねばなりません。 以前は家族全員国保で一枚にみんなの名前が書いてあり同じ日に何人も別の医者にかかれなくなり大変でしたが今は１人１枚になりよかったです。 下の息子が関東にいた時急病になり住所を移していなかったので 新幹線で届けたことがありました。それから学生の分は 別に発行してもらえる事がわかり助かりました。 ただ 今の介護制度や医療制度は非常に難解で 父も 何回も市役所と病院に行き よくわからないまま 今の金額になってますが、私たち庶民にもわかりやすくして欲しいです。 私はそのために申告の扶養家族の人数を変更しました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。医療保険制度や介護保険制度は大変です。大変なのが退職後に無保険になった時に大きな事故にあったり、障害者になった場合です。無保険と無年金で将来受けられる障害年金をもらえなくなる可能性があります。若い人には特に気をつけていただきたいです。
保険証を毎月提出するのは、通っている病院と歯科ですが、病院がわが大変だと思いもしませんでした。患者は、ただ健康になることだけ考えていますが、事務仕事は、退職など、対応がいろいろあって大変だなぁ、と思いました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。保険診療はさまざまなルールがあり請求業務も大変なんです。しかも医学部では教えません。開業してから苦労して失敗して覚えます。請求事務ができない先生もたくさんいます。
先日、一年ぶりに患者さんが来院されたのですが、診察券だけだったので、保険証もよろしいでしょうか？とお聞きしまさしたら、『ない！』と言われたので、では【本日は自費になりますがよろしいでしょうか？】と言ったところろ『はあ？そんな病院初めてだわ！』とキレぎみに、保険証を車に取りに行きました。『あんた、予約と時に言えばいいいだろ！』と。診察中も院長に受付の態度が悪いとか、辞めさせろとか言ってました。45才の女性で扶養に入ってる方です。お会計の時の態度も悪く、あんたが辞めればいい！と言い放って帰りました。
かなり、ムカつきました。来月も来そうで、院長も暫く通うと。患者さんには、保険証の提示の説明をしましたが、聞く耳はもたなくて、私はネットとかで検索してみて下さいといいましたが
あんたの常識は、世間の非常識だと言われました。
やっぱり、患者さんだから、来月も我慢しなければいけないのか？。
先生だったら、どう対処しますか？
【札幌美容形成外科＠本間賢一です】
困った患者さんです。9月5日（水）に札幌市保健所で講習会がありました。たとえそんな患者さんでも診療を断ることはできないようです。正当事由というのに該当しないと診療を断るわけにはいかないようです。丁寧にご説明し納得していただくのだそうです。対策としては『当院では（保険証がないと）対応できませんので他の医療機関をご紹介させていただきます』というのはＯＫだそうです。札幌の勤医協札幌病院では、生活の困窮を理由に医療費や介護老人保健施設の支払いが困難な方に対し、医療費の減額または免除を行う制度「無料・低額診療」を実施しています。社会福祉法第2条第3項にもとづく指定を受けた第二種社会福祉事業として実施されています。お金がかからない医療機関をご紹介されてはいかがでしょうか？札幌市保健所では困っている医療機関の相談にものってくださるそうです。受付の方がお一人で対応するのは大変なので複数の職員で対応するのもいいと教えていただきました。困った患者さんの対応は大変です。がんばってください。