医学講座
京都アニメ死者34人に
京都アニメーション放火事件
残念なニュースです。
京都アニメーションで放火された事件で、
死者が34人になりました。
私の記憶にある放火殺人事件で、
34人の死者はありません。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。
■ ■
大やけどで死ぬ原因は、
やけど直後に亡くなる患者さんと、
受傷後1ヵ月近く経過してから亡くなる患者さんでは、
死因が違います。
皮膚が焼けただけの大やけどは、
受傷後もしばらくは意識があります。
自分の焼けた皮膚がわかります。
深いやけどは神経も焼けてしまうので、
ぴりぴりとした痛みはありません。
■ ■
やけど直後に亡くなる原因は、
やけどの組織に体の水分が取られてしまい、
循環不全になることが原因です。
専門的な言葉で、
ハイポボレミックショックと言います。
日本語になおすと、
循環血液量減少性ショックです。
■ ■
大やけどの患者さんが搬入されると、
点滴を何本もします。
おしっこの管を入れて、
おしっこの量を測定しながら、
点滴の量を調整します。
昔は形成外科医がこれをやっていました。
おしっこが出なくなると大変です。
■ ■
今は多くの高度救命救急センターで、
重症熱傷の初期治療を担当するのは、
救急の先生や看護師さんです。
形成外科医で、
救急専門医も持った先生がたまにいらっしゃいます。
形成外科専門医と、
救急専門医、
熱傷専門医の3つを持った先生もいます。
熱傷のプロです。
■ ■
大やけどのことを、
私たちは広範囲熱傷と呼びます。
京都の患者さんたちの多くは、
広範囲熱傷の患者さんだと思います。
関西には、
3つの専門医を持った熱傷のプロがいらっしゃいます。
これ以上、死者が増えないように、
札幌から祈っています。
“京都アニメ死者34人に”へのコメント
コメントをどうぞ
いかにガソリンに引火した炎の広がりが早く
悲惨だったか
初めてテレビで見ました。
今まではスマホでニュースを見ていましたので。
容疑者はヘリで搬送されましたね。
重篤のように見えました。
真相が知りたいですね。
これ以上死者が増えないことを
お祈り致します。
そしてお亡くなりなった方の
ご冥福を心よりお祈り致します。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。重症熱傷を救命できる医療機関は限られています。被害者の社員さんたちを救命していただきたいです。
何の情報もないのに犯人だけがドクターヘリで大阪に搬送されたと報道がありました。他の人はどの程度のやけどなのか。生きて欲しいです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。他の方も重症熱傷だと思います。救命していただきたいです。
本当に痛ましい事件だと
思います。お亡くなりになられた
方のご冥福をお祈りいたします。
さらに、ご家族の方々の気持ちを
考えると言葉が見つかりません。
熱傷のプロと言われる方が
いらっしゃるのですね。
助けてくださるお医者さまに
感謝いたします。
膵炎で入院した時も大量の点滴と
尿を全て測定しました。
今も戦っていらっしゃる方が
良い方向にむかいますことを
お祈りしております。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。膵炎も点滴ですね。熱傷の初期治療は点滴です。煙を吸って肺もやられた時には人工呼吸器も使います。大変な治療ですが全員を救命していただきたいです。
34名の亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。
容疑者は「パクられた」と話していたそうです。数年前から殺害予告メールが届いていたという話もあります。警察に相談されていたのか?、また、京都のアニメと容疑者とどのような因果関係があったのか容疑者の勘違い、妄想なのか不明です。複数回窃盗歴(1回目は下着、2回目はコンビニで現金がなくて強盗)があるとの報道がありましたが犯罪にだけ目を向けた刑務所の矯正プログラムや薬物治療主体の精神科治療が結局失敗であったことを意味しているように感じました。両親離婚→不登校→中卒→夜間高校卒業→契約社員や派遣社員→転々と職場や住所が変わる→父親が他界。1回目と2回目の強盗の理由が違うことに【行政】は気付かなければならなかった。
強盗とか許せませんが2回目は生活困窮者であった可能性があり、そこを逮捕して服役させただけでは何も資格もなく社会復帰も困難ではないのかと感じました。複雑な家庭環境で疎遠、社会のサポートシステムの欠場が、更に精神科の薬物治療の副作用がモンスターを生み出したように思います。放火を選択するということは【憎悪】とか突発的か計画かはさておき【消えて無くなれば良い】そのような思考があったことが推認されます。
熱傷について今回テーマですのでコメントさせて頂きます。
熱傷はどのように受傷したのか、範囲、震度、年齢、栄養状態、既往症(例:循環器疾患、糖尿病疾患等)かなり重要になります。容疑者の例を挙げますと髪が燃えていた。画像を見る限り両腕、両下足の皮膚が欠損していました。頭部顔面、胸の熱傷もあると重篤です。in(大量輸液、電解質の補正、抗生剤、貧血状態になれば輸血)とout(尿量;熱傷後の血液、大量の浸出液、発熱による発汗、不感蒸泄)の厳密なウォーターバランス管理を要します。震度も様々でこのドレッシング材も用途に応じて使い分けていると思います。バーンガーゼも大量に使用し複数回、交換し血液浸出液を測定していると思います。
尿より浸出液が上回るそんなことも有り得ます。
傷が空気に触れた時から【感染】との戦いが始まってます。
抗生剤点滴や抗生物質を含む軟膏を塗布して対応しても完璧とは言えません。深達性Ⅱ度熱傷やⅢ度熱傷の場合で感染状態が続けば【敗血症】→これで亡くなる場合もあり怖いです。早期に植皮術が必要になると思います。
植皮をする為の健康な自家組織(皮膚)がない場合、J-TEC社の【自家培養表皮ジェイス】が広範囲に使用することになるのでしょうか。
この治療をされる医療従事者も大変なエネルギーが必要ですが被害者の方も含めて【生命】や【感染との戦い】(自己免疫含む)がまずあり精神的なケアも被害者、容疑者とも重要になると思いました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。どうしたら、このような犯罪を防ぐことができるのかが問題だと考えます。