医学講座
形成外科42年のあゆみ⑤
私は美唄市茶志内びばいしちゃしないで4年ちょっと過ごしました。
自分の中ではじめて医者になるという言葉が出た時でした。
でも私の中では、お医者さんになるなんて考えはありませんでした。
父親が働いていた茶志内炭鉱病院は、
丘の上にありました。
病院から見える田んぼはきれいでしたが、
病院の下にはお墓がありました。
■ ■
私はお墓がこわかったのです。
小学生の頃の私は、
おばけ
お墓
火葬場
死体
血
注射
…がこわい子供でした。
■ ■
父親が勤務していた、
三菱茶志内炭鉱病院は、
丘の上にありました。
すぐ前が墓地でした。
炭鉱病院に行くには、
墓地の中の道を通るか、
急な坂道を上がる２つの道がありました。
■ ■
こわがりだった私は、
小学校6年生になっても、
墓地の中を通らず、
遠回りをして、
急な坂道を上がりました。
そのくらい、
おばけとお墓がこわい少年でした。
今では考えられません。
■ ■
ですからお医者さんになるという考えはありませんでした。
不幸にもクビになってしまいましたが、
札幌医大に在職中は、
解剖学第二講座の村上弦むらかみげん教授
…のおかげで、
解剖学教室で研究をさせていただきました。
PRSという米国形成外科学会雑誌に掲載された英文論文もあります。
解剖学教室で研究なんて、
小学生の頃のけんいち少年には、
考えられなかったことです。
■ ■
今は、
おばけ
墓地
火葬場
死体
血
注射
まったくこわくないです。
■ ■
小学生の頃は、
山に行って遊んだり、
川や沼で釣りをしたり、
冬はスキーをしていました。
親からも医者になれとか、
薬剤師になれとか、
言われた記憶はありません。
けんいち少年は自然の中で遊ぶのが好きでした。
仲がよかった友だちは荒木田和生くんでした。
“形成外科42年のあゆみ⑤”へのコメント
コメントをどうぞ
「おばけ、お墓、火葬場、死体、血、注射」
子供がこわがる代表的なものだと
思いました。
今はまったくこわく思われないのは、
先生が着実にご経験を積み重ねてきた
からなのでしょうね。
大人になっても、これらがこわいと
思う人もいました。
「〇〇になりなさい」とおっしゃらないで、
のびのびと育てられた先生のご両親も、
すばらしいですね。
私の母は祖母からいつも勉強しなさいと
言われて勉強が嫌いになったと話して
いました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。私の親は勉強をしなさいと言いましたが、小学生の時に英語を習わせてくれたり、中学生になると家庭教師をつけてくれました。将来、医者になれと言われた記憶はなく、父親は自分が叔父との裁判で苦労したので、法学部に行って弁護士になれと言ってました。
いいお父様だったのですね。
私の父は厳格で自分一代では終わらせたくないという強い意志があり、高校2年の時の英語の先生にオーストラリアへの語学留学を勧められたのですが、跡を継ぐのが遅くなるという理由で大学へも留学も行かせてもらえませんでした。
先生のご両親はおおらかな方だったのですね。
荒木田和生君は何になられたのですか？
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。私は父親から医者になれとか、薬剤師になれとか言われた記憶はありません。父親は自分の叔父と土地をめぐる裁判で苦労しました。私が子供の頃にNHKの大学講座で法律を勉強していました。私が高校生の時には『自分は法律を知らなくて苦労したので、法学部に行って弁護士になれ』と言われました。荒木田和生くんは昭和大学病院の事務長さんになりました。昭和大学形成外科の先生から荒木田さんにお世話になったとお聞きしました。穏やかで、優しくていい方です。
私は未だに
おばけ
墓地
火葬場
死体
血
注射
が怖いです。
点滴を腕より下に持った為
血が逆流し、
私は目眩で倒れそうになりました。
それから注射は自分の皮膚に刺さってるのは
見られません。
怖いです。
医療もののドラマが好きなくせに
メスと聞こえたら
下を向いて次のシーンまで待つ有様です。
慣れなのかもしれませんが
本間先生は凄いです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。私が子供の頃のことを書くのは、人生なんてわからないってことをお伝えしたいからです。医学生になってからも血を見るのが嫌で、お産の実習で倒れたこともありました。『あの（実習で倒れた）本間が形成だって！』と思う（札幌医大の）同級生はたくさんいると思います。