医療問題
本人確認
保険医療機関では、健康保険証を提示していただき、本人確認をいたします。
美容外科では、自由診療のため、本人に申告していただきます。
原則として、運転免許証などで、本人確認はいたしません。
法律で義務付けられていることもございません。
ホテルや旅館で、チェックインの時に、住所と名前を書くのと一緒です。
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法律で義務づけられているのは、診療録(カルテ)の記載と保存です。
カルテは5年間の保存義務があります。
実際には、5年以上、保存している医療機関が多いと思います。
大学病院や大病院では、カルテの保存や管理が大変です。
現在は、電子カルテも認められており、将来的には電子カルテになると思います。
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電子カルテにしても…
紙カルテにしても…
カルテ入力する、
・氏名
・生年月日
・住所
・電話番号
などは、本人の自己申告です。
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もし、他人の保険証を借りて、
医療機関を受診して…
保険診療を受けたとすると…
これは、立派な‘犯罪’です。
刑法の詐欺罪になります。
外国人が他人の国民健康保険証を借りて、逮捕された事件がありました。
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美容外科の自由診療では、保険証の提示は求められません。
ご本人に記入していただく、問診票だけです。
今までにお一人だけ、
名前も住所も書きたくないという方が来院されました。
医療法の規定で、
名前も住所もわからなければ、
記録を残せませんので、
診療をお断りいたしました。
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以前、勤務していたクリニックでのことです。
30年前に、豊胸術を受けました。
当時は、偽名で受診しました。
何という名前で受診したか、覚えていません。
でも、この病院で受けたのは確かです。
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偽名の他に、
妹さんの名前で受診した…
生年月日を10歳若くした…
(実際に10歳以上、若く見えました…)
などなど、美容外科ならではの‘偽装’もあります。
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これも、以前勤務していた時のことです。
ある、大手美容外科が近くに出店する前です。
美しい女性が、相談にいらっしゃいました。
素人ぽく、質問をされます…
こちらがどういう説明をするか…
チェックされている様子がわかりました。
私も気付かぬフリをして…
ふつうにご説明をいたしました。
変だなぁ…
と思いながら…
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豊胸術を受けたい…
と相談にいらして、
ご自分の胸まで出されて…
こちらの、
・料金
・方法
・アフター
などを、細かくチェックなさる方もいらっしゃいました。
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問診票に記入された、
氏名・生年月日・住所・電話番号は、
本人が記入したものを、そのままカルテに使用します。
ですから、19歳の方が20歳と記載した場合は、
申告通り、20歳として受け付けます。
20歳でしたら、
本人の手術承諾書だけで手術をお引き受けすることになります。
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明らかに、未成年と思われる人を、
保護者の承諾なく手術することはありません。
ただ、24歳でも、
未成年に見える方もいらっしゃれば…
18歳でも、20歳過ぎに見える…
方もいらっしゃいます。
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自由診療では、この辺の本人確認が、しっかりしていないのが‘実情’です。
これは、札幌美容形成外科に限ったことではなく、どこの美容外科でも同じだと思います。
保険証の不正使用は、もっと重大な問題です。
こちらは、立派な犯罪ですが、医療機関としては確認のしようがありません。
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不正使用が発覚した場合は、医療機関も医療費を本人に請求し直す必要があります。
せめて、健康保険証に写真が貼付してあれば、不正使用は少なくなると思います。
健康保険証は、公的な証明書として利用されます。
それなのに、住所の記入も本人ができます。
厚生労働省は、せめて写真の貼付など、保険証をもう少し改善すべきだと思います。