昔の記憶

おくりびと

 さくらんぼさんから
 『おくりびと』についてコメントをいただきました。
 私は、まだ見ていません。
 昨年、クライマーズ・ハイ
 見に行った時に、
 『おくりびと』の予告編を上映していました。
 その時に、見たいと思ったのですが、
 残念なことに、まだ見ていません。
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 私はエンバーミング (embalming) という、
 ご遺体の処置に、
 以前から関心を持っていました。
 『おくりびと』とは違います。
 エンバーミングは外科の『おくりびと』
 といったところでしょうか?
 つまり、防腐処置、殺菌消毒、お化粧などを、
 血管に防腐剤や色素を注入して行うのが、
 エンバーミングです。
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 医師でなくてもできるようです。
 欧米では、かなり普及していますが、
 日本ではまだ一般的ではないようです。
 ネットで検索すると、
 何件もヒットします。
 ウィキペディア(Wikipedia)には、
 エンバーミング (embalming) とは、
 欧米で遺体を消毒、保存処理を施し、
 また、必要に応じて修復し、
 長期保存を可能にしようとする技法。
 日本語では死体防腐処理、
 遺体衛生保全などと翻訳される。
 と書かれています。
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 私自身は、
 患者さんが亡くなった後で、
 死後の整形手術をしたことがあります。
 まだ、お若い患者さんでした。
 私が勤務していた病棟の患者さんでしたが、
 他科の患者さんでした。
 残念なことに…
 若くしてお亡くなりになってしまいました。
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 癌の患者さんで、
 癌が顔に出て変形してしまっていました。
 病理解剖をさせていただくことになりました。
 私も何度か診察していたので、
 その方のことを存じていました。
 解剖の前に、
 ご家族から、
 顔の癌の部分だけでも、
 何とか見やすくできないでしょうか?
 と相談があったそうです。
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 私は病棟婦長と主治医から相談を受けました。
 他の部位には異常がなかったので、
 私は病理解剖の最後に、
 癌の部分を切除して、
 きれいな皮膚を移植しました。
 私は解剖の補助という立場で、
 死後の整形手術をしました。
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 後にも先にも、
 死後に手術をしたのはその方だけです。
 ご家族が喜んでいらしたと
 病棟婦長から聞きました。
 私がトシをとって…
 形成外科の手術ができなくなったら、
 形成外科の技術を生かして、
 エンバーミングをしようと思ったのです。
 人間は死ぬ時も、
 死んだ後もキレイでいたいものです。

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