医学講座
先天性眼瞼下垂症
生まれつきまぶたが開かない病気が、
先天性眼瞼下垂症(せんてんせいがんけんかすいしょう)です。
まぶたを開ける筋肉が、
機能していない赤ちゃんがいます。
視力は正常な場合が大部分です。
筋肉の働きも、
赤ちゃんによって違います。
左右で違うこともあります。
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札幌美容形成外科のHPでご紹介している、
先天性眼瞼下垂症は、
ある程度、挙筋機能(きょきんきのう)という、
筋肉の力がある方です。
筋肉の力が弱いと、
札幌美容形成外科で行っている、
眼瞼挙筋前転法(がんけんきょきんぜんてんほう)では、
まぶたが開きません。
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重症の先天性眼瞼下垂症は、
赤ちゃんの時は、
眼科の先生が治療をします。
視力を確かめたり、
視力低下を防ぐためです。
生後すぐに手術をすることはありません。
弱視になるのを防いで、
成長を見ながら手術計画を立てます。
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先天性眼瞼下垂症は、
形成外科医としても、
美容外科医としても、
もっとも治療が難しい眼瞼下垂症です。
札幌美容形成外科のHPをご覧になって、
私も、あのような目になりたい…
と遠方からご相談をいただくことがあります。
残念ですが、
どんなに丁寧に手術をしても、
ぱっちり二重の
可愛い目にできないことがあります。
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先天性眼瞼下垂症で、
瞼を開ける筋肉が弱い方は…
ぱっちり二重にすると…
目が閉じなくなる可能性があります。
目が閉じなくなると…
角膜が乾燥してキズがつくことがあります。
そのため、
ある程度の大きさまでしか、
開けられないことがあります。
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一番、難しいのが、
片側性の先天性眼瞼下垂症です。
つまり片目だけが、
生まれつき開かない方です。
大学病院を含めて、
今までに数回の手術を受けた方も、
手術をしたことがあります。
眼科の先生と何度も相談して、
目にキズがつかない程度で、
一番、キレイに見える目を作ります。
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手術をすると目が閉じにくくなるので、
目線を下に向けたときに、
白目が目立ちます。
ですから…
目線を下に向けることはせずに、
おじぎをするように…
頭を下げて下を見るように指導します。
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もし…
赤ちゃんが先天性眼瞼下垂症でしたら、
信頼できる
眼科医と形成外科に相談なさってください。
赤ちゃんが眼瞼下垂症になったのは、
お母さんのせいではありません。
大切なのは、
現実をしっかり見極めて、
一番、よい治療を、
子どもさんに受けていただくことです。