昔の記憶
浪人は無駄ではない
毎年、今の時期になると、
新聞に各予備校の宣伝が掲載されます。
有名大学へ合格した生徒さんが、
顔写真入りで載っています。
おめでとうと
心から祝福のエールを送ります。
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残念なことに…
志望校に合格できず、
浪人が決まった人も、
たくさんいらっしゃると思います。
予備校の学費を負担する親は大変ですが、
私は自分の経験から、
浪人は無駄ではない
と声を大にして言います。
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私は4年間、
札幌医大形成外科の講師として働きました。
思い出したくもないような、
嫌な出来事もありましたが、
たくさんの学生さんと話しができ、
私の考えを伝えることができたのは、
人生で有意義な期間でした。
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その時に感じたことですが、
現役で優秀な成績で合格した学生さんより、
何年も苦労して入学した学生さんが、
いいお医者さんになります。
教科書や参考書、
試験問題など…
一度見ただけで、
写真に撮ったように覚えてしまう、
超優秀な学生さんがいます。
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そういう人は試験には強いし、
要領よく定期試験をクリアーし
6年間で卒業します。
今の医師国家試験は、
すべてペーパーテストで決まります。
面接や実技試験はありません。
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医師国家試験に合格して、
研修医として働きはじめた先生。
朝、顔も洗わないで、
髭(ひげ)も剃らないで、
歯も磨かないで、
病院に来て私に叱られた人がいました。
電話が鳴っても、
『………もしもし………』
しか言えない人がいました。
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医学部では礼儀作法は教えません。
電話応対の仕方も教えません。
今はOSCE(オスキー)という、
模擬患者さんとの医療面接があります。
昔より少しはマシになった?
かも知れませんが、
社会常識がない人も医師になれます。
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浪人して苦労して、
挫折感を味わうことは、
人生にとってとてもよい肥料だと思います。
医療者以外に進む人にも大切なことです。
私が尊敬する、
弁護士の高橋智先生も、
北大法学部の給湯室で苦労なさった時代のことを
何度も書かれています。
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浪人が決まった皆さん、
元気を出してがんばってください
おじさんは応援しています
現役合格した
優秀な学生さん
受験勉強で選択科目になかった…
社会常識も勉強しましょう。
本や新聞を読むことをおすすめします。
社会人となってから役立ちます。