医療問題

増えてほしい苦労人の医師

 平成21年3月25日、朝日新聞
 声の欄への投稿です。
 増えてほしい
 苦労人の医師
 精神保健福祉士
 薮 純子 (東京都新宿区 48)
 精神科の外来受付で、
 「医師に会いたい」という女性が
 「入院患者さんを診ているのでだめ」と
 強い口調で断られていた。
 別の医師が対応してくれるといいのにと思った。
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 私の知っている精神科医には名医が多いが、
 別の病院で目撃した例に、
 こんなことがあった。
 患者が病気で働けず、
 親の死後どうしたらいいのか困惑していると、
 担当医師が「親は必ず死ぬよー」。
 患者はショックを受けたに違いない。
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 医師は確かに正しいことを言っている。
 しかし、
 病人にそんな言い方をしてはいけない。
 ショックで自殺でもしたらどう責任を取るのだろう。
 患者は
 「まだまだ大丈夫ですよ」
 言われて、
 やっと自立に向けて頑張る気になるものである。
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 医師は医学部受験を勝ち抜いてきた
 「お坊ちゃま成功者」が多い。
 それでも、
 感受性の強い優しい人や
 挫折を乗り越えてきた苦労人なら、
 患者と共感できる医師になれる。
 そんな精神科医が多く生まれることを望む。
 (以上、朝日新聞より引用)
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 現役合格をした優秀な学生さんを
 否定するのではありません。
 ただ、
 「お坊ちゃま成功者」
 という言葉がぴったりの学生さんが、
 現実に存在します。
 小さい時から、進学塾に通い。
 名門校でもトップクラスの成績でないと、
 有名国立大学医学部に、
 現役合格はできません。
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 私の身近に、
 中学2年生の時に、
 病気になって病院へ行き、
 『先生、ぼくの病気は治るんですか?』
 と医師に尋ねたところ、
 『あぁ、一生治りません。』
 と言われショックを受け、
 それから医学部を目指した医学生がいます。
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 彼は苦労して、
 浪人して…
 医学部へ進学しました。
 『一生治りません』と言われた病気とも、
 上手に付き合って、
 今のところ元気に学生生活を送っています。
 彼が苦労人だとは思いませんが、
 少なくとも他の人よりは、
 他人の苦しみが理解できると思います。
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 他にも、
 小さい頃からアレルギー性鼻炎に悩まされて、
 耳鼻科医師になった先生。
 小さい頃からアトーピー性皮膚炎に悩まされて、
 皮膚科医師になった先生。
 自分の父親が盲人なので、
 眼科医師になった先生。
 たくさんの
 ‘病人’の苦しみを知っている、
 先生がいます。
 みなさんとてもよい先生です。

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