医学講座

第35回日本熱傷学会②

 今日から日本熱傷学会がはじまりました。
 『やけど』は一番身近な外傷(けが)です。
 私自身も小さなやけどをしたことがあります。
 今日の発表で参考になったこと…
 湯たんぽによるやけどです。
 経済不況になり、
 部屋が寒いので、
 寝る前に湯たんぽを使う方が増えたそうです。
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 北海道から九州の先生まで、
 最近、湯たんぽによるやけどが増えたと…
 発表されていました。
 湯たんぽは、
 古くからある便利な道具ですが、
 使用方法を誤ると…
 やけどをします。
 最近…
 女性と
 小さな子どもさんの、
 湯たんぽによる、
 低温やけどが増えています。
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 『低温やけど』をネットで検索すると、
 いろいろなサイトが出てきます。
 やけどは高温の液体とか物体に、
 人の皮膚が触れて起こります。
 天ぷら油がはねた…
 髪を整えるアイロンが触れた…
 ハワイで日焼けして赤くなった…なんてのもヤケドです。
 天ぷら油も、
 アイロンのコテも、
 ヤケドをした瞬間に痛みがあります。
 熱い!⇒痛い!でわかります。
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 ところが…
 低温ヤケドが厄介(やっかい)なのは…
 この熱い!⇒痛い!が無いのです。
 寒い夜に…
 一人で冷たい布団に入って、
 足が冷たいのは辛いものです。
 あたたかい湯たんぽは、
 とても気持ちがよいものです。
 ついつい湯たんぽ
 ぴったりと足をくっつけてしまいます。
 疲れていると…
 そのまま爆睡してしまうこともあります。
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 そうすると…
 温かくて気持ちがよかった湯たんぽ
 凶器に変わります。
 人間の皮膚も蛋白質でできています。
 蛋白質は熱に弱く、
 皮膚も卵のように焼くと白く固まります。
 ゆで卵を作る時に、
 沸騰したお湯に短時間入れると、
 半熟卵になりますが、
 少し低温で時間を長くすると、
 黄身まで固い完熟卵になります。
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 気持ちがよいと思っていた
 湯たんぽの温度でも、
 長時間当たっていると、
 皮膚が損傷されてしまいます。
 これを‘低温やけど’と言います。
 湯たんぽの他に、
 ホカロン、
 暖房便座、
 床暖房、
 ホットカーペットなど、
 あらゆる温かいもの
 低温やけどをする可能性があります。
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 注意していただきたいのは、
 ‘低温やけど’をしても、
 すぐには気づかないこともあります。
 痛みがないこともあります。
 夜勤明けの看護師さん、
 睡眠薬で爆睡してしまう方、
 お酒に酔って意識が薄い方、
 下肢の知覚障害がある方。
 低温やけどになりやすい方は、
 意外と多くいらっしゃいます。
 子どもさんにも注意が必要です。
 安全な湯たんぽ
 添い寝をしてくれる…
 温かい親の脚です。

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