昔の記憶
麻酔科研修の想い出②
私が札幌医大の学生だった頃と、
麻酔科研修をさせていただいたのは、
昭和50年代でした。
高橋長雄先生が作られた、
札幌医大の麻酔科は、
日本の草分け。
新進気鋭の麻酔学教室でした。
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当時は、すでに中央手術室という、
手術部門が独立していました。
手術室の中で、
麻酔科医と、
麻酔科の看護婦さんは、
薄い水色の術衣を着ていました。
外科系の先生と
看護婦さんは緑色の術衣でした。
■ ■
たかが術衣の色と思いますが…
これは実にすごいことだと…
医者になって何十年も経ってから気づきました。
そもそも…
麻酔科の看護婦さんが、
手術部門で独立していたのは、
札幌医大の他は、
あまり無かったのでは…?
と思います。
■ ■
私が平成10年(1998年)に、
札幌医大に赴任した時には、
残念ながら…
水色の術衣は無くなっていました。
麻酔科医も緑色の術衣でした。
麻酔科の看護婦さんは、
その存在が無くなっていました。
何でも…
新病院を建築した際に、
手術部門の看護婦さんに統一されたそうです。
■ ■
確かに…
現在の看護師不足や、
手術部門での…
夜勤を含めた勤務を考えると…
仕方のないことかと思います。
ただ、
麻酔科の看護婦さんは、
素晴らしかった!
新米の研修医以上に、
何でも麻酔のことをご存知でした。
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風のガーデンに出てきた、
主人公が麻酔科医でした。
麻酔科准教授・白鳥貞美(中井貴一)先生は、
素敵でしたね。
麻酔科は、
痛みをとるエキスパートです。
麻酔は、
手術を安楽に受ける魔法のような手技ですが、
医療事故が多いのも麻酔です。
医療安全のことが最近取り上げられてますが、
私が医療安全の基礎を教えていただいたのが、
この麻酔科研修でした。
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手術室内で、
水色の服を着た、
麻酔科医と
麻酔科専従の看護婦さんが、
札幌医大中央手術部の、
医療安全を担(にな)っていたと思います。
麻酔科の看護師さんを専従にするのは、
確かに大変なことだと思います。
ただ、大学病院クラスになると…
もう一度、麻酔科の看護師さんを見直しても?
よい時期なのでは?と思います。
麻酔科研修を受けた、
古きよき時代のことを想い出します。