昔の記憶
ピアノの発表会
『先生、今度、市民文化会館で』
『娘のピアノ発表会があるんです。』
『よかったら、いらしてください。』
とピアノ発表会のチケットをいただきました。
もう20年以上も前のことです。
そのお嬢さんは、
生まれつき手が不自由でした。
■ ■
手の先天異常は…
山形大学整形外科の荻野利彦教授がご専門です。
形成外科でも…
生まれつき、
指が多い多指症(たししょう)とか
指と指がくっついている合指症(ごうししょう)の
手術をしています。
そのお嬢さんは、
北大形成外科で手術をした方でした。
■ ■
私が釧路労災病院形成外科へ勤務していた時、
外来で経過を診ていました。
指の異常があっても、
ピアノは弾けます。
障害の程度は人によってさまざまですが、
練習を重ねると、
ピアノも弾けるし、
パソコンのキーボードも打てます。
■ ■
土曜日の夜だったので、
釧路労災病院から、
歩いて釧路市民文化会館へ行きました。
幼稚園か小学生だった、
そのお嬢さんは、
とても上手にピアノを弾いて、
終わった後で、
ちょっと恥ずかしそうにしていました。
会場から大きな拍手がありました。
もちろん手に障害があることはわかりませんでした。
■ ■
お母さんは、
手が不自由だったので、
少しでもリハビリになれば…
と思ってピアノを習わせたと、
お話しくださいました。
そのお嬢さんも、
今は成人して、
立派になられていることと思います。
■ ■
小さい時に病気をしたので、
看護師さんになったお嬢さんもいらっしゃいます。
自分に障害があることで、
他人の痛みが、
健常者よりよくわかることもあります。
父親の目が見えなかったので、
眼科医になった先生もいます。
ふつうの人よりも…
よく理解できることもあると思います。
病気に負けず頑張ってください♪