医療問題

救急医療の大変さ

 私は救急の専門医ではありません。
 救急医療に、
 それほど詳しい訳でもありません。
 救急医と、
 一時期、いっしょに働いた経験だけです。
 私の偏見が混じっているかも知れませんが、
 救急医療がいかに大変かを記載します。
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 私たちのような開業医や、
 病院の外科医は、
 定期手術(ていきしゅじゅつ)といって、
 予(あらかじ)め手術の予定を立てて、
 その計画通りに手術をします。
 あなたの手術は、
 来週月曜日の朝9:00からです。
 というように予定を立てます。
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 その間に、
 十分な検査や、
 術前検討会などで、
 手術についての‘下調べ’もできます。
 自分一人で難しい手術でしたら、
 大学などに応援を頼むこともできます。
 手術を受ける患者さんにも、
 手術を執刀する外科医にも、
 十分に準備する時間があります。
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 外来で診察をしてから、
 患者さんとの信頼関係を築き、
 それから手術に臨みます。
 救急医療は、
 ある日突然に…
 瀕死(ひんし)の重傷となった方が…
 救急車で搬送されて来ます。
 瞬時に判断して、
 緊急手術となることもあります。
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 検査も十分にできないまま、
 救急ホールで手術をはじめることもあります。
 ある救命救急センターに、
 外傷患者さんが搬送されて来ました。
 救命するために…
 処置をして、
 血だらけになりました。
 そこらじゅうに血がついた後で、
 検査室から緊急電話がありました、
 HIV陽性です
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 幸い、医療従事者への、
 HIV感染はありませんでした。
 血液を介して感染する、
 HIV、
 肝炎など、
 現場の医療従事者には、
 常に感染の危険があります。
 待ったなしの救急医療には、
 こうしたリスクもあります。
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 現在の法律では、
 無保険者だからと…
 診療を拒否することはできません。
 明らかに治療費が払えず、
 公費(お役所からのお金)で、
 治療費を払っていただけない方でも、
 病院は診療をしなければなりません。
 公立病院だけではなく、
 民間病院でも同じです。
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 医療の特殊性もあります。
 お金がなくて…
 一週間も…
 何も食べていない人がいたとします。
 市役所に食事を求めて来ても、
 国会議事堂に来ても、
 ただで食事は出してもらえません。
 手続きをして、
 申請してからでないと、
 何もいただけません。
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 病院は…
 公立でも民間でも、
 救急車で搬送された人を、
 お金が無いという理由で断ることはできません。
 重症で、
 何度も手術をして、
 治療費が数百万円になっても…
 保険がない人にも
 お金がない人にも
 平等に医療を提供しなくてはなりません。
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 以外と知られていない事実ですが、
 大きな病院には、
 医業未集金という、
 患者さんから、
 いだだけなかった治療費
 かなりあるのが現実です。
 私が知っている限り、
 国はその補償をしてくれません。
 医学的にも、
 経済的にも、
 高度の救急医療の提供には、
 たくさんの問題点があります。

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