医学講座
第32回日本美容外科学会(横浜)③
昨夜、札幌へ帰ってきました。
新千歳空港に到着すると…
外気温は12℃でした。
寒かったです。
やはり北国だと思いました。
寒くても…
私は住み慣れた札幌が好きです。
■ ■
昨日は学会の最終日でした。
最後まで熱心な討論がありました。
昨日の発表で参考になったのは、
千葉大学 形成・美容外科、
金沢雄一郎先生のご発表でした。
最近の大学病院は、
形成外科ではなく、
形成・美容外科と
美容外科が付くようになりました。
■ ■
演題名は、
眼瞼下垂症手術における上眼瞼内側の挙上困難の成因の検討と対策
というちょっと難しいものです。
簡単に言うと…
眼瞼下垂症手術をした時に、
内側(目頭側)だけ…
挙上が不完全になる例があります。
目頭側だけ、
二重の線が不自然になることがあります。
■ ■
金沢先生は、
この原因を分析されました。
眼瞼挙筋の解剖を詳しく調べて、
対策を考えられました。
眼瞼挙筋の解剖を調べるといっても…
私たちのような開業医にはできません。
大学でしたら、
解剖学教室があります。
■ ■
私は札幌医大の教員だった時に、
文部科学省から、
解剖学の教員免許をいただきました。
どんなに優秀な医学生でも、
学生時代に…
眼瞼挙筋の解剖を詳しく調べた人は、
まず…絶対にいません。
眼瞼挙筋は、
保存遺体で見ると、
筋肉には見えません。
■ ■
医学生の解剖実習では、
せいぜい瞼板(けんばん)という、
白い組織を確認して終わりです。
眼瞼挙筋を見つけたとしても、
白い膜にしか見えませんし…
それが筋肉だとはわかりません。
金沢先生は、
この眼瞼挙筋の解剖を示してくださり、
わかりやすく解説してくださいました。
■ ■
若い先生なのに…
手術は丁寧で、
優秀だと思いました。
仕上がりもキレイでした。
この研究は
英文論文にしても良いと思いました。
大学の先生には、
解剖学など、
医学の基礎に基づいた研究をしていただき、
美容医学の発展させて欲しいと思いました。
金沢先生ありがとうございました。