医学講座
爪が切れなくなるなんて
平成28年1月9日、朝日新聞朝刊、ひとときへの投稿です。
爪が切れなくなるなんて
昔、脳梗塞(こうそく)を患った母が「見えにくいし、手が届きにくいので爪が切れない」と嘆いていた。ある時は鬼のように長い爪であったり、またある時は深爪をして痛々しかったりした。
その頃、母は兄のもとで暮らしていた。家族は皆優しかったが、「爪を切って」と言いにくかったようだ。今、その母の気持ちが痛いほどにわかる。
水泳やウォーキングなどをしながら独居生活を楽しんでいた私は3カ月前のある朝、ごみ出しの帰り際、ヒョコッと左足の力が抜け尻餅をついた。一瞬にして大腿(だいたい)骨頸部(けいぶ)を骨折した。
手術とリハビリの後、長年暮らした神戸を離れ、娘夫婦と同居している。皆優しく、足の爪が切れないと言えば、すぐ切ってくれるだろう。けれど違う。自分で切りたいのだ。世話になるだけではなく、自分も役に立ちながら対等に生きていたい。人の手を借りなければならない弱者の気持ちがやっとわかった。どんなに優しくされても、自立できていない情けなさ、悔しさがたまっていく。
左足の爪を眺めつつ、明るく前を見なければと思う気持ちと、生きていることのしんどさの間で揺れ動いている自分がいる。
(富山市 小川弘子 無職 76歳)
(以上、朝日新聞より引用)
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私の父も尻餅をついて、
一瞬にして大腿骨頸部骨折で入院中です。
明日、手術をしていただきます。
年齢とともに、
足の爪が切れなくなります。
昨日、病院へ行って爪を切ってきました。
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私はまだ足の爪が切れますが、
89歳になったら、
爪が切れなくなると思います。
4人に1人は水虫患者
2009年5月25日に院長日記です。
高齢者の足の爪には水虫菌(白癬菌)がいることが多いです。
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私は皮膚科専門医ではないので、
水虫は診ません。
爪が白く濁り、
厚くなって、
もろくなって、
変形していると爪白癬(つめはくせん)のことが多いです。
皮膚科専門医に診てもらってください。
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私の父は左大腿骨頚部骨折です。
89歳という高齢で、
たくさん病気を持っていて、
たくさん薬を飲んでいます。
厄介な年寄りなのに、
手術を引き受けてくださった先生と、
毎日、病棟でお世話をしてくださる看護師さん。
術前からリハビリをしてくださる理学療法士の先生に、
心から感謝しています。