医学講座
雪道で転倒し顔面骨骨折
今朝のTVで東京の大雪が映っていました。
銀座の車道に雪がありました。
大雪のお見舞いを申し上げます。
雪道はすべるので、
転倒に注意です。
顔の骨を骨折することがあります。
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私の形成外科専門医10症例、
顔面骨骨折は雪道で転倒した患者さんです。
函館中央病院形成外科で手術を担当させていただきました。
雪道ですべって、
前のめりに転倒し、
路面で顔面を強打しました。
患者さんは、
まさか骨が折れているとは思わなかったそうです。
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病名は右頬骨骨折きょうこつこっせつです。
幸いなことに、
顔面の皮膚は切れていませんでした。
右頬が腫れていました。
眼球結膜に出血がありました。
白目が赤くなっていました。
患者さんは右頬が腫れているだけだと思ったようです。
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形成外科外来で診察です。
口を開けられるか聞いてみます。
お口を開けられますか?
痛くてこれ以上開きません。
上の歯と下の歯の間の距離を測定します。
2センチしか開きません。
開口障害かいこうしょうがいと言います。
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次に上口唇に触れてみます。
ちょうど歯医者さんで麻酔がかかったように、
右側の上口唇だけがしびれています。
噛んでいただくと、
右上顎の歯は、
麻酔がかかったような感覚です。
右上の歯ぐきも感覚がにぶいです。
眼窩下神経麻痺がんかかしんけいまひです。
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右目だけ白目が赤く充血しています。
視力に異常はありません。
正面を向いた時は正常に見えます。
上を向いてもらうと、
右目だけ上を向けません。
上転障害じょうてんしょうがいと言います。
上を向くと、
ものが2つに見えます。
複視ふくしと言います。
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これだけの症状がそろっていると、
レントゲンを撮らなくても診断ができます。
右頬骨骨折みぎきょうこつこっせつです。
右眼窩底骨折みぎがんかていこっせつもあります。
この患者さんの手術を担当させていただき、
手術結果も問題がなかったので、
形成外科認定医10症例にさせていただきました。
北海道の住人でも、
雪道で転倒して骨折します。
くれぐれも注意してください。
歩き方も大切です。