医学講座
鼻の整形2016
目鼻立ちという言葉があります。
鼻が低い日本人にとって、
鼻筋が通った顔はあこがれです。
札幌美容形成外科では、
開院以来シリコンプロテーゼによる隆鼻術、
パーレインPerlaneというヒアルロン酸注入、
レディエッセRediesse注入を実施してきました。
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今まで一例もトラブルはありませんが、
パーレインは注入を繰り返していると、
ゾウの鼻のように幅が広くなってしまいます。
1.0ccから0.5ccに量を減らしましたが、
逆にあまり売れなくなってしまい中止しました。
2012年になり、
レディエッセRediesseという注入剤による整形が、
大学病院からも発表されるようになりました。
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札幌美容形成外科でも、
2012年10月からレディエッセRediesse注入を開始しました。
美容外科としては一番遅いほうです。
今でも慎重に投与すれば安全だと思っています。
残念なことですが、
2015年9月にレディエッセによる失明が文献として報告されました。
札幌美容形成外科では一例もトラブルはありませんが、
レディエッセを中止しました。
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パーレインPerlaneというヒアルロン酸注入にも壊死症例が報告されています。
ただ注射すればいいってものではないのに、
鼻の血管解剖もわからない先生が、
やみくもに注射すると壊死になります。
副作用が生じた後の対応も悪いと、
鼻が大きく変形します。
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それでは、
鼻の整形は無理なのでしょうか?
TVを見ていると、
つくった鼻と思われる方が映っています。
かなり不自然な形もありますが、
小さめのシリコンインプラントを、
控えめに入れるのはいい方法だと思います。
もちろんシリコンインプラントにも、
感染や露出というリスクはあります。
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石灰化という小さなしこりが、
インプラント周囲にできることがあります。
20代で入れた人が、
50歳とか60歳になった頃にできることが多いです。
私は85歳の女性が、
先生、昔入れた鼻が硬くなった。
火葬場で焼かれた時に、
変なもの出ないだろうか?
…と相談されたことがあります。
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シリコンインプラントは、
火葬場で焼かれても出てきません。
その上品なご婦人は、
石灰化したインプラントを、
新しいインプラントに入れ替えて、
上品な鼻を維持されました。
感染や露出、石灰化のリスクはあっても、
適切に見つけて取り出せば大丈夫です。
こわがりの人にはおすすめしませんが、
鼻の整形をしたければシリコンインプラントをおすすめします。