医学講座
長時間手術と弁当
今日の札幌は雨です。
寒いです。
3月下旬の気温だそうです。
桜が咲いたというのに…
雪が降る地方もあると、
天気予報で言ってました。
GWに雪が降ることがあります。
私も釧路労災病院形成外科に勤務していた30年前に、
大変な目にあいました。
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昨日の院長日記、
手術中に先生があっと言ったら失敗?に、
弁当を買うのを忘れた…
弁当を買って医局に忘れてきた…
…と弁当のことを書きました。
冗談でしょ~?
…と思わないでください。
手術日の弁当は大切なのです。
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今はできませんが、
大きな病院に勤務していた頃は、
年に何回か、
12時間を超える手術がありました。
事故で顔の骨がばらばらになってしまって、
それに軟部組織損傷という、
皮膚や眼瞼などの組織欠損があると、
修復するのがとても大変です。
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たとえは悪いですが、
大きな花瓶が粉々に割れたとします。
花瓶のかけらを、
柄をたよりにつなぎ合わせるようなものです。
どうしてもかけらが足りない時は、
同じようなかけらをつくって、
精密につなぎ合わせます。
12時間超えの手術を何度かしました。
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悪性腫瘍を切除して、
リンパ節郭清もして、
他の部位から遊離組織移植をして、
顕微鏡で血管をつないで、
そんな手術を助手と2人ですると、
朝から夕方までかかります。
血管がつまったりすると…
再吻合になるので時間がかかります。
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12時間もかかる手術の間は、
食事もできません。
トイレも行きません。
水分も摂れません。
よくやっていたと思います。
さすがに水分だけは、
何度かストローで飲ませてもらったことがありました。
■ ■
手術が終わってまずすることは、
水を飲む、
トイレに行く、
ごはんを食べるです。
夜になっていると、
病院の売店も閉まっています。
コンビニに買いに行くこともできません。
手術室のロッカーに入れておいた、
弁当を食べます。
ほんとうです。
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お医者さんは、
いいものを食べていると思うのは間違いです。
世の中のお医者さんの大部分は、
コンビニのお弁当のようなものを食べています。
病院の売店で、
弁当とお茶を持って、
レジに並ぶ先生がたくさんいます。
いい手術がしたいので、
飲まず食わずでがんばれるのだと思います。