医学講座
手術中に先生があっと言ったら失敗?
手術中の患者さんは緊張しています。
心臓の鼓動がこちらに伝わってきます。
全身麻酔の時は、
点滴をして眠ってしまうと、
あとは手術が終わるまでわかりません。
札幌美容形成外科の手術は局所麻酔です。
BGMはありますが、
手術中の言葉は患者さんに聞こえます。
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私は開業する前から、
患者さんにリラックスしていただこう、
できるだけ緊張を与えないようにしようと、
あれこれ考えていました。
大きな病院で手術をする時も同じです。
研修医に手術を教える時など、
特に注意していました。
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患者さんは全身が耳になっています。
ちょっとのことでも気になります。
手術室には、
さまざまなきまりがあります。
手術室の掟(おきて)
手術室の掟2
…に書いてあります。
興味がある方は読んでください。
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私は手術中の会話には特に気をつけています。
職員からの連絡は、
紙に書いてもらって筆談です。
うちの奥さんは、
長男の分娩時に、
産婦人科の先生が、
ごはんを食べに行こう…
…と言いながら会陰縫合をしたので傷が開いたと、
30年たった今でも怒っています。
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よく患者さんが言われる言葉に、
手術中に先生が突然、
あっ
…と言った、
絶対に失敗されたと思った。
こんなことを何人からも聞いたことがあります。
手術をする側から言わせていただくと、
よほど初心者の先生でもない限り、
失敗してもあっとは言いません。
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手術中に患者さんが心配するような言葉を発することが、
まず医師として失格です。
私が指導医だったら、
手術が終わってから注意します。
重大な失敗もまれにあります。
医療事故につながるような失敗は、
本人も周囲も気付かない時に起こります。
気付かないことで死亡事故が起こります。
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手術中に先生が突然、
あっ
っと言っても心配しないでください。
余裕があれば、
先生どうなさいました?とお聞きください。
きっと、
弁当を買うのを忘れた…
弁当を買って医局に忘れてきた…
きっとそんなことが多いと思います。
大きな事故や失敗につながる
あっはないと思ってください。