医学講座
脂漏性角化症2012
脂漏性角化症
しろうせいかっかしょうと読みます。
難しい字です。
男女を問わず…
多くの人の顔や体にできます。
一見すると『しみ』に見えます。
2010年1月12日の院長日記にも書いています。
■ ■
しみを正確に診断して治療するのは、
しみ治療を得意とする医師にも難しいものです。
今はダーモスコピーという…
とても便利な診断機器ができました。
高性能の拡大鏡です。
札幌美容形成外科でも使っています。
美容目的のシミ治療に健康保険は使えませんが、
黒い皮膚の病気を診断して治療するには、
健康保険が使えます。
■ ■
ダーモスコピーにも健康保険が使えます。
皮膚科学的検査
D282-4 ダーモスコピー 72点
◇ダーモスコピーは、悪性黒色腫、基底細胞癌、ボーエン病、色素性母斑、老人性色素斑、脂漏性角化症、エクリン汗孔腫、血管腫等の色素性皮膚病変の診断の目的で行った場合に、初回の診断日に限り算定する。
…という国が定めた規定があります。
■ ■
ふつうの人が見たら…
気になる『しみ』でも…
専門医が診たら…
悪性腫瘍だったということもあります。
川端皮膚科クリニックの
川端康浩先生が講演で強調していらっしゃいました。
■ ■
美容皮膚科へ行って…
高いお金を払ってしみ治療をしたけれど…
ちっともよくならなかった…
…なんて話しを聞くことがあります。
良心的な皮膚科や形成外科では、
脂漏性角化症の治療は健康保険でしてくれます。
■ ■
ここのしみが気になるので…
無料カウンセリングをお願いします。
というのに健康保険は使えません。
黒いものができて…
大きくなってきたので心配です。
…という人は保険診療で診断ができます。
クリニックを選んでかかってください。
院長の休日
フジの花が咲きました
家内が…
藤棚のフジが咲いたの知ってた?
伊藤邸の裏のが満開
キレイだから見てみたら?
…と教えてくれました。
通勤途中にある…
JR高架の横で咲いていました。
■ ■
毎朝、15分ほど…
自宅マンションから歩いて通勤しています。
春になったので…
私は別の道を通っていました。
今朝は…
藤棚の下を歩いてきました。
■ ■
伊藤邸とは…
伊藤組土建名誉会長の伊藤義郎様のお屋敷のことです。
伊藤組は北海道でも一番大きな建設会社の一つです。
住所でいうと…
札幌市中央区北5条西8丁目が伊藤邸で、
藤棚の場所は札幌市中央区北6条西8丁目です。
今朝の札幌はとても良い天気です。
さわやかな6月の北海道へいらしてください。
お待ちしています。
医学講座
第38回日本熱傷学会③
昨日の院長日記に書いた、
ラップ療法の危険性に警鐘をならす
…という日本熱傷学会の発表は、
残念なことに…
どこの新聞社もTV局も取り上げてくれませんでした。
私自身が発表者の時も、
残念な思いをしました。
■ ■
日本熱傷学会では…
こんなもので…
こんなやけどをした…
…という発表があります。
もっと広く国民に啓蒙(けいもう)したいという発表が…
毎年必ずあります。
■ ■
残念なことですが…
学会は一般市民には公開されていません。
学会員で参加費を払った人だけ、
参加することができます。
マスコミの取材も…
学会長の許可がいります。
■ ■
マスコミからの取材2009という…
2009年5月30日の院長日記に書きました。
私はJA帯広厚生病院に在職中に、
加湿器による手のヤケドを学会で発表しました。
残念なことに…
学会で発表しても…
一般の人には伝わらず…
その後も、悲惨な事故が続きました。
札幌医大在職中に…
加湿器の危険性を啓蒙(けいもう)するために…
学会発表の前に、
新聞社各社へメールを送りました。
読売新聞が一番早く取材にいらしてくださいました。
■ ■
読売新聞→朝日新聞→北海道新聞。
と取材を受けました。
その後、テレビ朝日にも取り上げていただき、
国民生活センターで
詳しく調査していただきました。
これで日本の加湿器が大きく変わりました。
■ ■
北大形成外科の先輩、
松本敏明先生は
北大形成外科の医局長だった時に、
カップ麺のやけどを発表されました。
松本敏明先生は、
カップ麺のカップの形を変えて、
安定する形状にすれば、
カップ麺による悲惨なやけどは減る
とマスコミに訴えました。
■ ■
その後、
食品メーカーが改良を重ねてくれて…
カップ麺の容器が変わりました。
あまり知られていない事実ですが、
日本のカップ麺の容器を変えたのは…
北大形成外科の松本敏明先生です。
こんなことでも形成外科は役立っています。
医学講座
第38回日本熱傷学会②
第38回日本熱傷学会②です。
今日の院長日記は重要です。
もしマスコミの方がこのブログを読んだら…
是非取り上げていただきたいテーマです。
ネット上で非難されることも覚悟の上です。
文句があるなら正々堂々と討論してください。
■ ■
日本熱傷学会としては、
ラップ療法の危険性に警鐘をならす
という結論です。
以下は学会抄録集からの引用です。
熱傷治療におけるラップ療法の現状報告
日本熱傷学会ラップ療法対策特別委員会
【目的】近年閉鎖療法の一種である「ラップ療法」は熱傷治療に対して有用性報告がある一方、感染症等の有害性報告も見られるため、現状を把握すべく調査を行った。
【方法】医中誌webを用いて、「ラップ療法」×「熱傷」で検索し、その有用性および有害性について調査した。また日本熱傷学会地方会を通じて、ラップ療法事例の調査を依頼した。なお今回は食品用ラップに限定して検討した。
【結果】医中誌から検索された文献、報告は93件であり、具体的事例報告があったものは25件(論文8、抄録17)で有用報告は20件50症例、有害報告は5件、13症例であった。地方会調査では有用報告は2施設、4症例、有害報告は25施設35症例であった。有用としたものは多くが2度熱傷創に用いられていた。有害とした原因の多くは感染症であり、受傷面積が少ない症例での敗血症化(2度10%BSA、2度1%BSA、3度1%BSA)がみられた。死亡転帰は4例あり、受傷面積の記載があった2例は30%BSA以下であった。褥瘡のラップ療法を参考に自己治療して感染を生じた症例、重症熱傷をラップ療法だけで治療し重篤化した症例等がみられた。
【考察】今回の調査で「ラップ療法は万能」という誤った情報のもとでの治療で重篤になった例や感染症例があることが判明した。本村は非医療材料で使用上の注意等の明記がなく、今後日本熱傷学会として本療法の危険性に警鐘をならすべきと思われた。
■ ■
ラップ療法の問題点という院長日記を、
2008年7月13日に書いています。
ネットの怖いところは…
良いところばかりを強調していて、
悪いところは書かれていない点です。
素人は簡単にだまされてしまいます。
■ ■
もし悪くなっても…
誰も責任を取ってくれません。
ネットに書いた人が医師であっても…
それを信じて使った人の責任です。
損害賠償請求もできません。
■ ■
私が問題にしたいのは、
ラップ療法で治ると信じて使っていて、
やけどが重症になって…
死者が出ている点です。
日本全国で問題となっています。
マスコミの方には…
是非、取材していただきたいです。
今日、14:00から委員会報告の発表があります。
医学講座
第38回日本熱傷学会①
第38回日本熱傷学会で東京に来ています。
美容外科学会が終わって…
札幌へ帰って…
月曜日と火曜日の診療をして…
水曜日から東京に来ました。
学会が好きなわけでもありませんが…
たまたま同じ週に重なりました。
■ ■
日本熱傷学会は、
形成外科と救急が、
毎年交替で学会を開催しています。
昨年の学会長が日本医大形成外科の百束比古教授。
今年の学会長は杏林大学救急医学の山口芳裕教授です。
私が医師になった1980年(昭和55年)に…
札幌で第6回日本熱傷学会が開催されました。
32年前です。
■ ■
32年前と比べると…
やけどの治療も変わりました。
医学が進歩した現在でも、
治すのが難しいのがやけどです。
深いやけどを痕(あと)を残さずに治すのは…
今でも難しいのが現実です。
■ ■
きれいになろうと思って受けた…
光治療で深いやけどになることもあります。
美しい女性の顔に、
やけどのあとが残ることもあります。
美容整形の先生が…
どうしてやけどの学会?
…と疑問に思われるかもしれません。
やけどの治療を勉強することは、
傷をきれいに治すことにつながります。
■ ■
まみ子師長さんもいらしています。
形成外科の先生とお話しするのも勉強になります。
やけどの学会も楽しいです。
学会への参加は一日だけですが…
勉強をして帰ります。
学会内容のレポートは…
また明日から書きます。
医学講座
第100回日本美容外科学会(JSAS)⑤
私が十仁系の日本美容外科学会(JSAS)に参加させていただいてから、
今年で約10年になります。
最初に参加した、
上海の国際学会で発表した時に、
梅澤文彦先生がようこそと迎えてくださいました。
その後の10年で…
美容外科を取り巻く環境も大きく変わりました。
■ ■
価格破壊は美容外科にも押し寄せました。
100円ショップが増えたように…
安い美容外科が増えました。
10年の間に無くなった美容外科もあります。
その一方で…
新しく新規開店をしているチェーン店もあります。
まさに激戦という感じがします。
■ ■
昔から…
うさんくさい美容外科がありました。
どこの美容外科がうさんくさくて
どこの美容外科を信じてもいいのかわかりません。
学会発表も同じです。
うさんくさい学会発表は、
美容外科以外でもあります。
論文取り下げという記事がそれです。
うさんくさい美容外科は、
形成外科系にも非形成外科系にもあります。
個人の問題だと思います。
■ ■
ある有名な先生が、
美容外科とか…
美容皮膚科とか…
頭に美容の2文字がつくと…
うさんくさいと思われる…
…と言われたことがあります。
私も感じることがあります。
■ ■
100回を迎えた十仁系の日本美容外科学会(JSAS)には、
何人かの形成外科の先生が参加していらっしゃいました。
2つの日本美容外科学会を1つにしようと、
高須克弥先生や新冨芳尚先生がご尽力されています。
私が感じるのは、
学会に参加して勉強をする先生は、
美容外科を真剣に考えて、
美容外科が大好きな先生です。
■ ■
形成外科出身でも、
皮膚科出身でも、
麻酔科出身でも、
仲良く美容外科をよりよくしたいと考えています。
2つの学会を1つにするのは大変そうです。
お互いの言い分は理解できますが…
何とか仲良くお勉強ができる会になってほしいです。
医学講座
第100回日本美容外科学会(JSAS)④
日本美容外科学会(JSAS)に参加して、
良かったことは、
韓国の先生と仲良くなれたことです。
5050CLINICのKim先生は、
自宅にもいらしていただきました。
私もKim先生のクリニックへ行ったことがあります。
■ ■
今回の第100回日本美容外科学会では、
Kim先生の特別講演がありました。
Looking Back on the Basic Techniques in Aesthetic Dermatosurgery (1)
…というタイトルでした。
日本語に訳すと…
美容皮膚外科手術の基本手技①
私が講演の座長をさせていただきました。
■ ■
Kim先生は、
1956年7月18日生まれで、
私より2歳若い先生です。
韓国で皮膚科専門医を取得された後で、
日本や米国で美容外科を学ばれました。
とても勉強熱心な先生です。
■ ■
日本語がとてもお上手です。
どうやって日本語を勉強したのですか?
…と伺ったところ、
毎朝、TVで日本語会話の番組をやっていて、
それを毎日見て勉強なさったそうです。
日本の歴史や文化にも私以上に詳しく、
私より日本中を旅行していらっしゃいます。
■ ■
英語もとてもお上手です。
私との会話は、
日本語と英語を混ぜてくださいます。
Kim先生は、
2003年から2006年まで、
韓国で若手医師のために、
セミナーを開催なさっていました。
■ ■
外国から有名な先生を呼んで、
講演をして、
手術を見せていただくという企画です。
日本からも、
何人もの先生がKim先生に呼んでいただいています。
日本人で韓国まで勉強に行った先生もいました。
■ ■
Kim先生の講演の要旨は、
皮膚科疾患として一番多い、
ほくろやいぼを
しっかり診断して治療するという、
皮膚科の基礎が大切である。
高価なレーザー機器がなくても、
小さくてよく切れるはさみがあれば、
大部分のほくろやいぼは取れる、
…という内容の発表でした。
はさみの使い方も簡単ではありません。
■ ■
美容皮膚科というと、
高額なレーザー機器を使って、
魔法のように取れると考えますが、
何の知識もない先生がすると、
やけどやケロイドを作るだけで、
基本的な知識と手技が大切だと強調されました。
まったくその通りだと思います。
Kim先生の5050CLINICは信頼できるクリニックです。
医学講座
第100回日本美容外科学会(JSAS)③
美容外科が他の診療科と違うところは、
進歩が早いところです。
ちょっと学会から遠ざかっていると…
流行に乗り遅れます。
新しいものが良いのか悪いのか…?
副作用は…?
心配しているときりがありません。
■ ■
第100回日本美容外科学会(JSAS)で、
高須克弥先生の特別講演、
若返り手術
”Historical Changes in Rejuvenation Surgeries”
脂肪吸引の変遷
”Historical Changes in Liposuction”
…がとても印象的でした。
■ ■
どちらの特別講演も、
動画で編集されていました。
制限時間内で実にみごとにまとめられていました。
私は今まで数多くの特別講演を見てきましたが、
60分とか30分を、
すべて動画でまとめられたのは、
高須克弥先生以外に見たことがありません。
■ ■
若返り手術では、
ご自身が受けた、
フェイスリフト手術の変遷を…
すべて動画で見せてくださいました。
海外の学会で発表された若返り治療を、
ハードなケミカルピーリングから糸の手術まで、
真っ先に高須先生自身が実験台となって、
受けた結果を見せてくださいました。
■ ■
脂肪吸引の変遷は、
世界中で行われた脂肪吸引を、
わかりやすくビデオで解説してくださいました。
婦人科手術の器具を使って、
世界で最初にフランスで行われた脂肪吸引手術など、
かなり批判を受けたようです。
麻酔や手術方法も大きく変わりました。
■ ■
高須克弥先生のすごいところは、
自分自身が実験台になるところです。
特別講演の動画には…
今は亡き奥様のシヅ先生が
心配顔で見ていらっしゃるお姿がありました。
奥様を愛され、
ご家族を愛され、
美容外科を愛している高須克弥先生の特別講演は、
とても心に残りました。
高須克弥先生ありがとうございました。
医学講座
第100回日本美容外科学会(JSAS)②
日本美容外科学会(JSAS)が、
形成外科系の日本美容外科学会(JSAPS)と違うのは、
海外からの参加者です。
創設者の梅澤文雄先生のお考えで、
海外の美容外科学会と
1980年代から学会を共催しています。
■ ■
今年の学会でも、
韓国、中国、シンガポール、ベトナムなど
アジア圏の先生がたくさん参加しています。
目立つのが中国からの先生たちで、
特に女性の先生が際立っています。
高須克弥先生と写真を撮っていらっしゃいました。
■ ■
公用語が日本語と英語なので、
中国の先生のご発表は多くはありませんが、
数とパワーには圧倒されます。
高須克弥先生は中国でも有名で、
先生とご一緒の写真はステータスになります。
高須先生はお忙しいのに…
笑顔で写真に入っていらっしゃいます。
■ ■
5月26日(土)には、
高須先生のライブサージェリーがありました。
手術は…
耳の前を切って…
『たるみ』を取るフェイスリフト。
ダウンタイムが少ない、
高須先生オリジナルの手術です。
■ ■
学会のライブサージェリーで、
惜しげもなく手術を見せてくださる先生に感謝です。
手術中の様子もわかりました。
患者さんが安心できるように、
優しく声をかけながら、
てきぱきと手術を進めます。
左右差を確認して…
微調整もなさっていらっしゃいました。
■ ■
ライブサージェーリーでは、
先生の細やかな心遣いまでわかります。
ビデオ画像も以前の学会と比較してとても鮮明になりました。
高須先生の年齢を感じさせない…
手術風景でした。
今日の高須先生の特別講演もすばらしかったです。
座長の保科先生が言われたように、
高須先生が美容外科の発展に貢献されたご功績は、
長く歴史に残るものです。
とても勉強になりました。
心から感謝していますありがとうございました。
医学講座
第100回日本美容外科学会(JSAS)①
第100回日本美容外科学会で東京に来ています。
JSASは十仁系学会と呼ばれています。
十仁病院の梅澤文彦先生が、
第100回の会長です。
昨年、開催予定でしたが、
東日本大震災で一年延期となりました。
■ ■
この学会は、
韓国の第24回大韓美容外科学会、
中国の第9回東方美容外科学会との、
共同開催です。
韓国からも先生がいらしています。
下の写真は、
韓国の5050CLINICのKim先生と
高須克弥先生です。
■ ■
高須先生から、
さくらんぼさんに、
美味しいものをたくさん送っていただき
ありがとうございました。
とお伝えくださいと
メッセージをいただきました。
学会の内容は、
明日以降にお知らせします。