院長の休日

旭岳登山

 中富良野からの帰りに旭岳へ行ってきました。旭岳は北海道の最高峰で2,290mあります。北海道は緯度が高いため、2,000mでも日本アルプスの3000m級に匹敵する高山環境を持ち、多彩な高山植物群落が見られます。
 旭岳へは、東川町の旭岳温泉(標高1,100m)からロープーウェーで姿見駅(標高1,600m)まで上がることができます。そこまでは昨年秋に行ってきました。
 姿見の池に写った旭岳がとてもキレイだったので、今年は是非山頂までと考えていました。
      ■         ■
 私は登山の趣味はありませんが、自然を観察するのが好きで、学生時代には利尻岳に登ったこともあります。
 ここ30年くらいは登山はしていませんでした。旭岳は正直なところキツかったです。私たちのように軽装で上がるべき山ではないと、帰ってきて改めて思いました。
 事前にネットで調べて、頂上付近は夏でも気温が0℃近くになることは知っていました。
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 姿見の池までは、スニーカーでも、ちょっと歩きやすい靴でも行くことができます。息子が高校時代に学校で旭岳に登っていたので、安易に考えていたと思います。
 ロープーウェーで姿見の池に上がると、高山植物の美しさに目を奪われます。7月上旬はちょうど良い時期でした。
 自然保護監視員の方から説明を受けて、楽しく散策ができます。山に登る人が多いし、昨秋はすぐそこに旭岳が見えたので‘簡単に’上がれるだろうと思ったのが間違いでした。
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 私がいつもワキガ手術は‘簡単’ではありません。と申し上げているのを逆に教えていただいた気がしました。
 ウインドブレーカーにスニーカーで家内と登りましたが、下りがきつかったです。途中まで登ったところで、家内がもうダメと音をあげました。
 たまたま私たちの前に東京からのツアー客22人が団体で上がっていらっしゃいました。
 そのツアーのしんがりにくっついて上がりました。男性のガイドさんが案内をなさっていて、それをしっかりタダで盗み聞きしながら上がりました。
 頂上の手前、9.5合目のところで『ここが有名なSOS事件があった、ニセ金庫岩です』と説明を受けた時もなんのことかさっぱり『???』でした。
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 1989年に道に迷った、愛知県の青年が木で‘SOS’と印を残し、捜索隊に発見された時は、白骨死体だったという恐ろしい話しです。
 昨秋に来た時も、その日の朝に東京からいらした有名な先生が死体で発見されたとニュースで報道していました。
 帰ってきてから、ネットでSOS事件を調べて、改めて恐ろしさを知りました。
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 山頂からの大パノラマは素晴らしく、高山植物の美しさとは別の自然の素晴らしさを味わいました。
 今度はちゃんと登山靴を買って、装備も万全にして、もう一度チャレンジしてみようと思っています。
 旭岳へ行かれる方は、決して私たちのマネをしないでください。山を甘くみてはいけないという教訓を得ました。

旭岳山頂にて

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院長の休日

ファーム富田

 休診日を利用して中富良野のファーム富田へ行ってきました。ちょうど10日前の7月2日の日記で札幌のラベンダーが開花したことをお知らせしました。
 例年、7月中旬には中富良野のラベンダーが開花します。札幌より富良野地方は開花が遅れます。
 今年は例年より、お花全体の開花が遅く、ちょうど濃紫早咲が咲きはじめたところでした。残念なことにオカムラサキはまだ蕾(ツボミ)でした。開花まであと1週間はかかりそうです。札幌より20日も遅れることは珍しいと思います。
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 本州では梅雨前線の影響で大雨と聞きますが、今年の北海道は少雨です。6月の降水量が少なく農作物の生育に影響が出ているようです。
 そのためかどうか?わかりませんが、ファーム富田のお花も例年より背丈が小さく感じられました。
      ■         ■
 私は毎年ファーム富田に何回か伺います。ラベンダーの時期の他に秋にも行くことがあります。
 札幌美容形成外科に飾るカレンダーを購入したり、院内で使うラベンダーオイルを購入に行きます。
 ファームで働いているのは花好きな方で、皆さんとても親切で丁寧です。若い方が多いのも特徴です。
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 今のシーズンは一年中で最も混んでいる時期です。日本人以外に台湾、韓国、中国からもたくさんのお客様がいらしています。
 顔だけ見ても日本人と区別がつきませんが、言葉を聴くと韓国語や中国語なのでわかります。若いカップルも海の向うからいらしています。韓国の知人に聞いたところ、韓国にはファーム富田のように花を育てている農場はないようです。
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 ファーム富田のよいところは、ラベンダーから作られたさまざまなGoodsを販売しているところです。
 あれだけの花畑なのに入園料はゼロ円。おそらく販売料収入で維持管理なさっていらっしゃるのだと思います。
 毎年、確実に成長しているラベンダーとお花の楽園です。オーナーのラベンダーにかける強いお気持ちが伝わってきます。
      ■         ■
 ラベンダーの他に、赤のポピーがキレイに咲いていました。
 この美しいラベンダーの楽園をいつまでも維持していただきたいと願っています。
 札幌美容形成外科に飾ってあるカレンダーでファーム富田の四季がご覧いただけます。

ファーム富田にて

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医学講座

手術室の掟2

 手術を安全に遂行するために、手術室にはさまざまな掟があります。昨日は挨拶について書きました。
 手術をするには、麻酔をかける必要があります。麻酔薬は手術の苦痛を取り除いてくれる有用な薬ですが、使い方を誤ると生命の危険を伴うことがあります。
 私が麻酔科研修で習ったことは、薬の誤認を防ぐことです。注射器に詰めてしまえば、みな同じ無色透明の液体が大部分です。
      ■         ■
 麻酔科や手術室では、注射器に詰めたら必ずシールを貼って間違いを防ぎます。薬によっては最初からシールがついている製品もあります。
 麻酔に使う薬は、希釈して使う場合も多いので、希釈した場合は希釈した濃度も書きます。
      ■         ■
 麻酔科医や術者の指示で、薬剤を注入する時は必ず復唱します。
 麻酔科医:『それでは看護婦さん、プロボフォールを10cc入れてください』
 看護師:『はい、プロボフォール10cc入ります』
 麻酔科医(患者様へ):『点滴から麻酔のお薬が入りますので眠たくなります』
 ミルクのような白い液体が点滴から入ると、患者様はあっという間に眠ってしまいます。豊胸術では気が付いたら、胸が大きくなっていて、まったくわからない間に手術は終わります。
      ■         ■
 手術中も常に声を出して確認するのが掟(オキテ)です。
 外科医:『15番お願いします』
 看護師:『はい、15番です』
 外科医:『電メス(電気メスの略)のパワーを5に上げてください』
 看護師:『はい、5に上げました』
 局所麻酔で手術をする時には、あまり声を出さないようにすることもありますが、『はい』は常に声に出して言うようにします。
 ミスや事故を防ぐために、昔から手術室の掟(オキテ)として伝えられた決まりです。
      ■         ■
 手術中にもさまざまな掟があります。術者と器械出しの直接介助者は‘清潔’なので、手は胸より下に下げてはいけません。
 鼻の頭が痒くても、眼鏡がずれても、マスクがずれても自分では直せません。すべて、外回りと呼ばれる間接介助者にしてもらいます。
 手術中はトイレにも行けませんし鼻もかめません。風邪を引いて鼻水がズルズルの時は大変です。
      ■         ■
 このような手術室の掟は、医学部でも、看護学部でも、看護学校でもあまり教えなくなりました。国家試験にもあまり出題されません。
 私が北大病院の手術室へはじめて入った時、ベテランの看護師さんから、『先生、手洗いしていたら失敗しても頭をかいたらダメょ』と優しく教えていただきました。

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医学講座

手術室の掟(オキテ)

 手術室は外科医が技を披露する劇場だと書きました。私たち外科医にとって大切な仕事場が手術室です。総合病院では中央手術部という部門があって、専任の看護師が数十名も勤務している病院もあります。私が麻酔科研修をした昭和57年は、札幌医科大学附属病院の中央手術室には麻酔科専任の看護師さんもいらっしゃいました。
 医師免許を取得して、大学病院に勤務しても何もできません。手術器械の名前すらわかりません。
 通常の手術では、‘器械出し’または‘直接(介助)’と呼ばれる看護師さんが手術につきます。新米の医師は足元にも及ばないほど何でもよく知っていて優秀です。
      ■         ■
 私が医師になって、はじめて手術室に入った北大病院では、看護師さんはグリーンの帽子とマスクをしていました。目元しか見えませんでしが、美人でかっこよかったです。
 私たち研修医は、何もできず、ただ毎日叱られてばかりいるのに、看護師さんはキリっとして実にてきぱきと器械を渡します。術者が何も言わなくても、手術の流れがわかっていて、手を出すと間髪入れずに器械が出てきます。
      ■         ■
 手術室には掟(オキテ)があります。まず、挨拶をすること。しっかり声に出して挨拶をします。
 朝、入る時は『おはようございます』。これはどこでも当たり前ですが、特に手術室では挨拶を重要視します。
 手術を始める時は、『おねがいします』と術者が言って、他の全員が『おねがいします』と復唱して始まります。これから手術を始めるので、麻酔科の先生、看護師さん、助手の先生、みなさんよろしくお願いします。という意味だと思います。
 テレビドラマなどでは、イケメンの先生役が『メス!』なんて言いますが、私は言ったことも聞いたこともありません。
      ■         ■
 メスにもいろいろな刃の形があるので、形成外科では『15番(ジュウゴバン)』とか『15番お願いします』と言って始めます。15番というのは形成外科で好まれる小型のメスの刃です。メスの刃は替刃式になっています。
 メスを入れる前に、消毒をして、被布(オイフ)という清潔な布をかけて、局所麻酔の注射をします。
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 手術が始まってからは、術者は原則として術野しか見ません(術野に集中しています)。術者が手を出すと、器械を術者の手にポンと渡してくれます。このポンが上手にできる人は優秀です。慣れない間はぎこちなくなります。
 手術が終了すると『ありがとうございました』と術者が言って、最初と同じように全員が『ありがとうございました』と復唱しておしまいです。
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 病院の他の部署と異なるのは、手術という一つの仕事をチームプレーで手際よく行うことです。そのため挨拶とか、作法が重んじられるのだと思います。
 美容外科診療所(クリニック)は総合病院の手術室とは雰囲気が異なるところもありますが、私はしっかり挨拶をして、礼儀を重んじる手術室の掟が好きです。

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手術室へのこだわり

 札幌美容形成外科の設計で私がこだわったのが手術室です。形成外科医として、四半世紀を手術室で過ごしてきました。手術室には窓がなく、朝、手術室に入ると外が晴天だろうが猛吹雪であろうが一切わかりません。
 空調完備で夏でも冬でも一年中半袖の術衣を着ています。市立札幌病院で生後間もない未熟児の手術をした時は、患児の体温低下を防ぐため、手術室の室温を36℃にまで上げて手術をしました。
 一度だけの体験で手術時間も2時間程度でしたが、全身汗だらけ、麻酔科医も看護師も全員汗だくで手術をしました。患者様に快適に手術を受けていただくのが手術室です。
      ■         ■
 医療法で手術室の設備基準が詳しく決められています。3年前は手術用手洗い装置などが義務付けられていました。
 変な話しですが、‘手術’は手術室でなくてもできるのです。一般の方には『???』、何の話しか見当がつかないと思います。病室で手術をする病院はないと思いますが、大部分の美容外科クリニックで手術をしているのは、実は処置室です。処置室で手術をしても違法ではありません。
      ■         ■
 処置室は手術室と比べると、設備基準がゆるく保健所の検査でも特別な問題がなければ許可されます。
 手術室を備えるには、それなりの設備が必要でお金もかかります。ビル内の診療所では前に書いた、給排水の問題があるため、手術室はおかずに処置室で手術をするところが大部分です。処置室で手術をしても、ちゃんとした先生がすれば‘手術’自体に問題はありません。
 HPで‘宣伝’している手術室は、私がいままでに勤務していた総合病院の手術室をできる限り再現しました。
 手術室は外科医の間では、術場(ジュツバ)とも呼ばれます。英語ではoperating theaterと言います。まさに外科医にとっては自分の技(ワザ)を披露する‘劇場’です。
      ■         ■
 札幌美容形成外科は、たくさんの医療関係者にご利用していただいています。
 どんなベテランの先生に、ベテランの師長さんに見ていただいても恥ずかしくない手術室です。私の自慢です。
 ビルの改築でこの立派な手術室を壊すのはとてもとても残念です。でも、この次はもっと立派で快適な手術室を作ります。

自慢の手術室です

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イメージは自然

 3年前に札幌美容形成外科を開業する時に困ったのが‘広告’でした。前の勤務先では、本部と広告代理店が全国の広告から地方の広告まで、細かく分けて出してくれていました。広告宣伝費もかなりかけていました。
 個人経営のクリニックはどう頑張っても、広告で大手チェーン店にかないません。
 有名女性誌に広告を出すだけで、私の給料が吹き飛んでしまいます。北海道の小さなクリニックが全国誌に出したところで、効果はありません。
      ■         ■
 医療法で診療所や病院の広告は厳しく規制されています。有名女性誌に出ている‘広告’は、診療所(クリニック)の‘広告’ではなく、本やビデオの‘広告’として出されています。
 クリニックの広告として出せるのは、NTTタウンページに出ている内容程度しか出せません。
      ■         ■
 私はHPなどで使う、広告のキャッチコピーを考えていました。
 広告のデザインはデザイナーにお願いしましたが、内容は私が考えました。
 このHPに出ている‘イメージは自然。自然な仕上がりを大切にします’は私が考えました。
 毎日、いろいろな案を考えていました。ボ~っとしながら大通り公園を歩いていた時に、突然ひらめいたのが‘イメージは自然’でした。
 受験生の時に、ずっと解けなかった数学の問題が、ある時突然ひらめいて解けた感覚に似ていました。
 さっそくデザイン事務所にメールして、最初の広告ができました。
      ■         ■
 下の広告が最初にできた札幌美容形成外科の広告です。地味な広告ですが、私なりに満足していました。
 ラベンダーの形が札幌のSの形をデザインしています。ちょうどラベンダーが咲く頃にこの広告を出しました。
 それから、あっという間に3年が経ちました。おかげさまで病気もせず元気に診療を続けています。
 私は、いかにも整形しましたという目や鼻は嫌いです。開院の時からずっと自然な仕上がりを大切にしています。

2004年最初の広告です

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北海道臨床創傷治癒研究会

 昨夜、札幌パークホテルで第4回北海道臨床創傷治癒研究会がありました。私の恩師である、市立札幌病院吉田哲憲院長が代表幹事をなさっていらっしゃる研究会です。
 形成外科医は以前にも書いたように、キズを治すプロです。糖尿病や閉塞性(ヘイソクセイ)動脈硬化症で下肢(特に足指)が黒く壊死になってしまう病気があります。
 重症の方は、膝から下を切断という、最悪の事態になることがあります。私は市立札幌病院や札幌医大に在籍していた時に、よく内科の先生とご一緒に足の難治性潰瘍(ナンチセイカイヨウ)の治療をしました。
      ■         ■
 一番厄介なのが、糖尿病から腎不全になり、人工透析を受けていらっしゃる方です。動脈硬化症を合併していることが多く、血管も石灰化しているため、とにかくキズが治りません。
 さすがの私も諦めて、足指や下腿で切断したことがありました。血流が悪いとどんなに軟膏を塗ったり、足を洗ったりしてもキズが治らないのです。
 何とか、足を切断して欲しくないと願う患者様に「切断しなければ治りません」と言うのはとても辛いことでした。
      ■         ■
 昨日は、時計台記念病院、循環器センター長の浦澤一史先生の特別講演がありました。
 浦澤先生は、北海道大学をご卒業後、循環器内科を専攻、北海道大学講師を歴任され、平成18年4月から、時計台記念病院の循環器センター長にご就任されました。
 浦澤先生は血管に細いカテーテルという管を刺して、詰まった血管をあの手この手で開通させるという得意技をもっていらっしゃいます。
 血管が詰まって、枯れそうになっていた足が見事に生き返っていました。
      ■         ■
 時計台記念病院では、キズを治すプロである形成外科医と、詰まった血管を再開通させる循環器内科医がチームを組んで、従来は切断を免れないような、枯れかけた足を見事に治していました。
 私の81歳になる父も、足の血管が詰まってうまく歩けなくなりました。従来でしたら、治療は難しかったので、だましだまし使うしかないと思っていました。
 昨日の特別講演をお聞きして、さっそく父にも治療を受けさせようと思いました。
 医学の進歩はすごいものです。従来は治らないと思っていた病気でも、いつかは必ず治ることを信じて治療を受けるべきだと思いました。なにごとにも決して諦めないことが大切です。

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医療と観察・分析・判断

 私は昭和57年に札幌医科大学麻酔学教室で麻酔科研修をさせていただきました。北大から札幌医大へ研修へ行くのは珍しいことでした。恩師である大浦武彦教授と札幌医大の高橋長雄教授のトップ会談で‘特例’として認められました。
 私が札幌医大の卒業生だったことも幸いしたようです。当時、私を指導してくださった先生は、現在も日本麻酔学会の要職に就かれ、現役の麻酔学教授もたくさんいらっしゃいます。
 私の医師としての四半世紀にわたる人生の中で、札幌医大麻酔科で研修を受けたことはとても意義深く、私の貴重な財産となっています。
      ■         ■
 昨日の日記で、医療でも観察・分析・判断が必要と書きました。麻酔学は手術の麻酔をかけて、手術を安全・快適に受けていただくための学問です。
 私は麻酔科研修で、この観察・分析・判断の重要性をしっかり叩き込まれました。
 麻酔をかけた後も、常に患者さんの状態を観察し、モニターの音、血圧、脈拍数、酸素飽和度などをしっかり観察します。何か異常があれば、即座に分析し、麻酔濃度の調節などの判断をします。
      ■         ■
 医療のどの分野でも、この観察・分析・判断をしっかり行わないと医療事故が起こります。
 全身麻酔で豊胸手術を受けた後に植物状態になった医療事故の例を書きました。これは典型的に観察・分析・判断が悪かった例です。
 美容外科では医療事故なんて起こらないとお考えかもしれません。確かに産科などよりリスクは少ないと思います。でも実際にこのような事故が起こっています。
      ■         ■
 観察するには、観察できる目が必要です。医師免許をとって日が浅い先生では、観察力が不足していることも考えられます。
 厚生労働省の決めた2年間の臨床研修だけでは、的確に観察できる目はできません。
 流通業でも、店長クラスになるには本人の努力と10年近い経験が必要と伺いました。もちろん教育も大切です。
 医療は航空業界と同じで、安全・快適に‘飛行’することが何よりも大切です。免許取立てのパイロットには大型旅客機は操縦できません。ところが医療では卒後数年の先生がジャンボジェットを操縦しているようなこともあります。
 観察・分析・判断が的確にできる‘先生’を選ぶことが、安全に手術を受ける上でとても大切なのです。

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観察→分析→判断

 今日は北海学園大学のニトリ寄附講座に行ってきました。講師は安孫子尋美先生です。5月末から6月末まで、約1ヵ月間、米国ロサンゼルス地区で調査・セミナーをなさって、帰国されたばかりでした。お忙しいのに、札幌までいらしていただきありがとうございました。
 米国では、成人女性の86%近くが就業しており、夫婦ともに働いている家庭が多くなっています。必然的に、買い物にかける時間が短くなり、short time shoppingという、短時間で楽しく買い物ができるショッピングセンターが増えています。
 従来のショッピングセンターと比較して、駐車場が整備されています。自分の行きたい店の前に車をとめて、すぐにお店に入れる環境作りがされています。
      ■         ■
 今日のテーマは観察→分析→判断の手法です。流通業では、効率的に業務を遂行し、それを数字として業績に反映させることが大切です。
 毎日、同じような仕事をしていても、その中から問題点を発見し、改善することで、業績も収益も改善します。
      ■         ■
 常にメモとボールペンを持ち歩き、気付いたことをメモすることで観察ができます。
 毎日、A4の日報に観察(問題点、不明な点)をできるだけ具体的に記入します。
 さらに、問題点について原因と思われることを‘分析’し、箇条書きに記入します。
 最後に、改善・改革のための提案として‘判断’を記載します。そしてその期限を具体的に記載します。この日報を毎日記入します。慣れてくると5分以内で記入できるそうです。
      ■         ■
 例として寝坊をして遅刻した例が紹介されました。
 ×悪い例
 観察:遅刻をした。
 分析:寝坊をしたからだ。
 判断:今後、絶対に寝坊はしません。
 この例では具体的な改善策がないため、また寝坊をして遅刻する可能性が大です。
      ■         ■
 ◎良い例
 観察:寝坊をして30分遅刻をした。
 分析:目覚ましが壊れていた。それに気がつかなかった。
 判断:新しい目覚ましを今日中に買う(期限がついている)。
 具体的な対策が期限付きで出来ているので、もう、寝坊をして遅刻する可能性は少ない。
      ■         ■
 この観察→分析→判断は流通業に限らず、日常診療や受験生にも応用できそうです。
 毎日の生活を見直して、問題点を発見し、それを分析して、応急措置と制度変更計画を立てる。
 似鳥社長のように夢とロマンを実現するため、自分たちの生活を改善するために、私も今日から観察→分析→判断にチャレンジしてみます。

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院長の休日

ラベンダー刈取り

 今日は休診日だったので、ラベンダーの刈取りを行いました。私と81歳になる私の父でしました。昨日は家内と家内の母がしてくれました。家族で分業です。
 ラベンダーの刈取りというと、優雅な仕事のように思えますが、5分か10分で刈取れる量ではないので、結構な重労働です。
 中腰でかがみながらするため、腰が痛くなります。鋏でチョキチョキちょきちょきと切るため、手も疲れます。
 ラベンダーを刈る鋏は、園芸用の少し大きめの鋏を使います。6年前に植えた時は小さな株でしたが、毎年どんどん大きくなり、今では植えた時の何十倍にもなっています。
      ■         ■
 本数は数えていませんが、約2時間程度刈取りました。刈取った後にまた作業があります。
 刈取った後の作業は、家内と家内の母、私の両親がそれぞれ分業でしてくれています。
 ラベンダーの茎についている葉を手で落とします。ちょうど焼き鳥の串に花がついたようになります。それを親指の太さ程度に集めて束ね、輪ゴムをかけます。束ねたラベンダーを逆さに吊るして乾燥させます。
      ■         ■
 家の中に吊るすので、ラベンダーの香りが部屋の中に充満します。
 一週間くらいでカラカラに乾燥します。乾燥したら透明な袋に入れてリボンをつけて完成です。
 札幌美容形成外科に飾ってあるラベンダーはこうして身内で作ったものです。
      ■         ■
 私の仕事は、ラベンダーに肥料をやったり、毎年少しずつ植え替えたり、土をかけたりする栽培の方です。
 肥料をやって、木が大きくなって、キレイな花を咲かせてくれて、よい香りをくれるラベンダーが好きです。
      ■         ■
 美容外科医を辞めたら、ラベンダーや花を育てて優雅に暮らしてみたいと思っています。外国の花を見に行ってみたいとも思っています。
 今年、私が手術を担当させていただいたご婦人は、今頃スイスを優雅に旅行されていらっしゃいます。
 その方は、結構なお年なのですが、とてもお若く見え毎年スイスに滞在なさるのだそうです。
 『スイスはね、とってもお花がキレイでね、とってもいいところよ。先生も行ってごらんなさい。日本からの飛行機はいつも満席なのよ。』
 そのお話を伺って、いつか私も行ってみたいと思うようになりました。
      ■         ■
 美容外科と園芸はまったく異なりますが、私にとっては、失礼ながら、どちらも自分の手でキレイな‘作品’を作っているつもりです。
 手術をできる年齢には限界がありますが、花つくりは元気であれば続けられそうです。
 キレイな花を作って鑑賞して、楽しみながら暮らすのが私の老後の夢です。

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