医学講座

第6回北海道臨床創傷治癒研究会

 昨夜、札幌パークホテルで、
 第6回北海道臨床創傷治癒研究会がありました。
 昨日の特別講演は、
 市立札幌病院形成外科医長の、
 堀内勝己先生でした。
 チームアプローチによる
 糖尿病性足病変の治療
 ―米国の現状ならびに当院での取り組み―
 という興味深い内容でした。
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 堀内勝己先生は、
 1991年に福島県立医科大学をご卒業。
 北大形成外科へ入局され、
 北海道大学大学院をご卒業になった、
 素敵な形成外科医です。
 奥様は内科医で、
 福島県立医大の同級生です。
 私はJA帯広厚生病院で
 一年間ご一緒に働きました。
 とても優秀な先生です。
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 堀内勝己先生は、
 一昨年秋から、
 一年間、米国へ留学されました。
 ワシントンにある創傷治癒センターで、
 糖尿病などによる、
 足の治療を勉強されてきました。
 糖尿病は怖い病気です。
 足が腐って…
 壊死(えし)になってしまいます。
 足の趾(ゆび)だけではなく、
 膝から下を切断しなければならないこともあります。
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 堀内先生が講演で述べられていましたが、
 糖尿病の患者さんが増えています。
 ちょっと古いですが、
 平成20年12月26日、読売新聞の記事です。
 2,210万人に糖尿病の疑い
 10年で6割増…厚労省調査
 厚生労働省は2008年12月25日、
 2007年の「国民健康・栄養調査結果」を発表し、
 糖尿病の疑いがある人は
 全国で推定2,210万人に上るとした。
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 2006年調査(1,870万人)と比べ
 300万人以上増えた。
 同省は
 「運動不足や食生活の乱れが
 改善されていないことが原因」
 と分析している。
 調査は2007年11月、
 全国約6,000世帯の
 約1万8000人を対象に実施。
 糖尿病については成人約4,000人の
 血液検査結果をもとに推計した。
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 それによると、
 糖尿病が強く疑われるのは890万人で、
 可能性が否定できない1,320万人を合わせると
 2,210万人に上った。
 1997年調査(1,370万人)と比べると6割も増加。
 年代別の人口に占める割合は
 70歳以上が約38%、
 60代約35%、
 50代約27%、
 40代約15%、
 30代約6%、
 20代が1%だった。
 (以上、読売新聞から引用)
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  糖尿病になると、
 目が見えなくなり(糖尿病性網膜症)
 腎不全から人工透析を受けなればならなくなり
 (糖尿病性腎症)
 足の血管が詰まって、
 キズができると壊死になります。
 (糖尿病性足病変)
 神経も侵されるので
 男性は高率にインポテンツになります。
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 私も形成外科医時代に
 足趾切断(足のゆびを切断する)の
 手術は何例もしました。
 堀内先生は膝下の切断まで、
 形成外科でなさるそうです。
 切断した後の、
 義肢装具の調整も、
 義肢装具士の方と一緒になさっています。
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 糖尿病は内科の病気ですが、
 眼科や形成外科など、
 さまざまな科の医師や看護師、
 理学療法士、作業療法士、
 義肢装具士が
 力を合わせて治療しなければ、
 良い結果は得られません。
 堀内勝己先生のご尽力で、
 お一人でも多くの方が快適な生活をおくれるように
 祈念しています。
 堀内勝己先生ありがとうございました。

“第6回北海道臨床創傷治癒研究会”へのコメント

  1. 函館の看護師 より:

    糖尿病によって壊死にて下肢を切断した方や実際に壊死寸前になっていて毎日処置のため通院していた方もかなり多かったです。

    その中でも湯たんぽによって糖尿病の患者さんがやけどで壊死に気がつかずという高齢の一人暮らしの方もとても多かったです。

    痛みや熱さの感覚も鈍くなり高齢者では認知症も入り、気がつかれないまま下肢の切断に至った経緯も過去にたくさん見ました。

    医師、看護師、理学療法士、義肢装具師の努力はもちろん本人の病気についての周知と高齢者の場合は周りの早期発見も重要に思います。

    早期発見には介護員、ケアマネ、何といってもご家族の皮膚の変化を知っていただくことが重要ですので、このような機会に情報を得ることはいいことだと思います。

  2. さくらんぼ より:

    研究会お疲れ様でした。
    糖尿病は 私の父の父が 合併症でなくなり 父の代では 誰も 糖尿病はいないのですが 先日亡くなった父の兄の息子、私の従兄弟が 糖尿病で インシュリン(インスリンでしょうか?)注射をしています。
    現場 で仕事をしている頃は何ともなかったのですが 、デスクワークになってから発病しました。運動のため 土・日 我が家に手伝いに来てくれていますが、時々低血糖になり 倒れた事があるそうです。
    私も遺伝的に 心配なので 食生活を野菜中心にすれば 糖尿も 加齢臭も防げて 一石二鳥なのかなあ〜なんて思ってます。
    先生方の研究で 患者の方の生活の質が向上されればいいですね。

  3. さくらんぼ より:

    追記
    先日の臓器提供意思表示カードですが 先生の保険証が先生のクリニックの物だから 書いてあるのでしょうか? 私のところは少し前まで国保は1家族一枚の保険証しかなく不便な思いをしましたが、やっと 一人一人カード形式になりましたが 誰の保険証の裏にも書いてないのですが・・

  4. まみ子 より:

    堀内先生が帯広厚生病院形成外科にいらした時に一度お会いした事があります。本間先生が医長で坂本先生と堀内先生が3人で頑張っていらっしゃいました。1年間だけだったのですね。
    何年か前の熱傷学会でチラっとお見かけした事もありました。

    堀内勝己先生のますますの御活躍をお祈り致します。

  5. らずべりー より:

    糖尿病は3大合併症があるので怖いですね。傷もなかなか治らないですし、感染に弱いとか、色々悪化してしまうと大変です。
    患者様によっては糖分だけ控えたらいいと思われている方もいますが、カロリーも制限しないといけないんですよね。
    場合によっては、インシュリンを打たないといけなかったり、
    目や腎臓、末端の神経などに合併症をお持ちの方など。遺伝もありますが、食生活も大事だと改めて感じました。

  6. のだめ より:

    28歳の時のB病院の検診で「糖尿病」と言われましたが、内分泌専門クリニックでクッシング病の診断が付き、クッシング病の治療をして、クッシング病の改善と共に糖尿病の血糖コントロールも落ち着いてます。

    ただ、コントロール良好だったのに、昨年5月に不安定狭心症なり、 愕然としました。ピル内服のせいと内分泌の先生は最初のデータが悪すぎだったせいと言っていました。

    今は3大合併症にならないよう祈ってます。アンプタも透析も失明もなりたくないですからね。

    本間先生と働いてたいた時、すでに外見的にクッシング病だった観たいです。ニキビ、中心性肥満。B病院に内分泌専門の医師がいたら、もっと早期に発見されていたと思います。

  7. nokkok より:

    最近、身内の一人が糖尿病で堀内先生にかかとの手術をしていただき、そのお見舞いに行きました。 本間先生のブログでそんな立派な先生と知り安心しました。 自力でまだ歩けないので看護師さんにとてもお世話になっているそうです。 ナースステーションにいらした看護師さん達に感謝の気持ちいっぱいで頭を下げて帰って来ました。

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