院長の休日

パイロットという職業

 平成27年4月4日、朝日新聞朝刊、天声人語です。
 パイロットという職業
 一流シェフやオーケストラの指揮者と同様、パイロットという仕事も創造的であり、ものづくりの匠(たくみ)の技にも似ているという。日航で長くジャンボ機を操縦した杉江弘さんが著書『プロフェッショナル・パイロット』で書いている。
▼誇り高い職業である分、厳しさもある。免許を取っても、試験と訓練は退職するまで続く。乗る機種が変われば、そのつど免許が必要だ。飛行中、トラブルや悪天候に遭遇すれば多大な緊張を強いられる。激務に耐える徹底した健康管理も求められる。
▼憧れの職業の一つだろう。ランドセルの素材で知られるクラレが、この春小学1年になった子に将来就きたい職業を聞いた。パイロットは男子で9位。昨年は7位だった。人気は安定して高い。
▼ところが人手不足だという。LCCと呼ばれる格安航空会社が急増して、世界的に足りなくなっている。日本では昨年、LCC2社で必要な数の機長がそろわず、2千便以上が欠航する事態になった。引き抜き合戦も過熱している。
▼なにより心配なのは安全面だ。ドイツのLCC機がフランスの山中に墜落した先月の事故では、パイロットに対する会社の管理責任を問う声が上がる。日本でも、人材の供給が期待される私立大の養成コースで、訓練の管理のずさんさが発覚した。
▼効率優先でパイロットに過酷な乗務をさせたりしたら、「事故がいつ起こっても不思議ではない」。杉江さんはそう警鐘を鳴らす。長年、多くの人命を預かってきたプロの言葉は重い。
 (以上、朝日新聞より引用)

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 私もまったく同意見です。
 医師もパイロットも人命を預かる職業です。
 激務です。
 徹底した健康管理も必要です。
 多大な緊張も強いられます。
 強い責任感が必要です
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 高まる要求_疲れる医師
 2010年9月22日の院長日記です。
 医師ユニオン航空機の機長らの労組が共催したシンポジウムを取り上げています。
 全日空の機長(46)は「疲労がたまる24時間体制の職場で顧客の生命を守らなければならない仕事。技術の高度化で、顧客の間にできて当たり前という意識が強まっているのも医師と共通の悩みだ」と話す。
 機長はシンポの会場で、2000年、先輩機長が佐賀空港に着陸直前に操縦席内で脳出血で倒れ、着陸後に亡くなった事を思い出していた。
 先輩機長は倒れる前日、羽田から佐賀、佐賀から伊丹と飛んだ後、翌日の乗務をこなすため乗客として仙台に移動。仙台で1泊し、翌朝、仙台から名古屋、名古屋から青森、青森から名古屋へと飛び、さらに名古屋から佐賀に向かうところだった。
 前日の朝から翌日の夕方までの長い拘束に加え、名古屋空港では大型台風による風雨の中で着陸するという緊張を強いられた。名古屋で体調悪化を訴えたが交代要員がいないため、勤務を続けた結果だった。だが過労死に認定されるような残業はなかったとして労災申請は却下された。遺族は国に労災認定を求めて今も係争中だ。(以上、朝日新聞より引用)

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 医師も交代要員がいない職種です。
 大きな手術を前にすると、
 極度の緊張も強いられます。
 楽な職業ではありません。
 私が心配するのは、
 ドイツの副操縦士が、
 恋人であるCAさんに、
 給料が安いと不満を言っていた点です。
      ■         ■
 150人もの人命が失われた大惨事です。
 格安
 激安
 …にこだわると、
 パイロットの質が落ちます
 美容外科も同じです。
 格安
 激安
 …はなんちゃっての先生です。
 過度の価格競争は止めて、
 安全・安心の空の旅をお願いしたいです。

“パイロットという職業”へのコメント

  1. さくらんぼ より:

    パイロットも医師も 人の命を預かるという意味では本当に似ていますね。 つねに緊張感が伴う フライトや手術、。 機長や医師にも 心の休息があればいいですね。

  2. なっちゅん より:

    給料が安いと不平があったと私も後になって聞きました。
    この手の犯罪多いですが、まさか乗客全員が自己の犠牲になるなんて。
    なんちゃってに酷似していますね。

  3. たろう より:

    はじめまして、こんにちは。僕は医師を目指して日々勉強している浪人生です。浪人といっても、ずっと落ち続けている多浪です。今年も不合格の通知を受け、続けていいのか分からなくなったり、どうしようもない状況に絶望していたところ、先生の日記を見つけ少し望みを持てるようになりました。ずっと受験を続けているのには理由があります。一つには、ここ最近ずっと、受験校に成績開示をするとギリギリで落ちていることが分かっているからです。(一番最近では、ほんの数点でした。) もう一つは、中学の頃からの夢をどうしても叶えたいからです。このような状況で潔く諦められず、ここまで浪人してしまいました。すでに合格した同級生(学力も僕より少し劣ってたのに‥)は医師国家試験を受験するような年齢です。「自分より早く医者になるんだな」という嫉妬と、知り合いに「まだ浪人してるの?」と言われたことの悔しさ、そういう感情も原因の一つかもしれません。なんとか合格して、先生に報告したいです。突然のコメント、失礼しました。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。私の同期には最高8浪の先生がいます。今も立派に開業医としてご活躍中です。成績開示で数点差なら望みはあります。自分が不合格だった原因をしっかりつかみ、挽回することです。現役合格してもダメな医者はたくさんいます。私が札幌医大講師だった時には他大学を卒業後に札幌医大に入り直した学生さんが何人もいました。東大理2卒や京大工学部卒の人もいました。今年の医師国家試験合格者の最高齢は60歳だそうです。がんばってください。応援しています。

  4. なっちゅん より:

    タロウさん

    頑張ってくださいね。
    知人にも7回くらい、弁護士の試験に落ちたけど今は立派にやってますよ。
    夢諦めるの、まだまだ早いですよ。
    本間先生もおっしゃってます。
    継続は力なり、エールを心の中で送ります。

  5. なっちゅん より:

    本間先生

    先生の声は浪人生の方にも届きましたね。
    流石がは先生です。
    優しくて誠実で。
    本当に先生みたいに素晴らしいドクターはなかなかお会いできません。
    メール相談をなさっているのは身を粉にしてる感じです。
    そこまでの先生はあったことがありません。
    頭がさがります。
    先生、お身体に気をつけてくださいね。

  6. たろう より:

    本間先生、ありがとうございます。なかなか悩みを打ち明けられなかったので、先生の日記に出会えて本当に良かったです。他の日記を読ませていただいていたら、驚いたことに本間先生と同じ出身高校であることも分かりました。先生のような素晴らしい先輩がいらっしゃるなかで、後輩として恥ずかしくないような生き方をしなければと感じています。

  7. たろう より:

    なっちゅんさん、ありがとうございます。まさか他の方からもコメントいただけると思っていませんでした。夢を諦めず、もう一踏ん張りしてみたいと思います。二十数年しか生きていない未熟な僕にとって、他の方の人生経験を聞けることは本当に励みになります。感謝しています。

  8. さくらんぼ より:

    たろう様へ 私からもエールを送ります。
    医師ではありませんが私の息子二人は30代で 医療系の学生です。 本間先生に お会いしてまで考え 転職することにしました。みんなからは さくらんぼさんはたいへんだね。いつまで学生してるの?結婚は?孫は? 気にしないで 応援しています。国家試験合格まで!

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