医療問題

サミット救急医療2008

 平成20年2月7日、朝日新聞朝刊の記事です。
 首脳の急病テロに備え
 救急医療、隠密大作戦
 厚労省・道が対策
 医師・看護師ら200人待機
 協力病院公表せず
      ■         ■
 首脳が病気で倒れだり、テロがあったりした時にどう対応するか。
 7月の北海道洞爺湖サミットに向け、厚生労働省や道が救急医療態勢づくりを進めている。
 警備上の都合から内容は一切公表されていないが、
 2000年の九州・沖縄サミットを参考に、
 全国から医師や看護師らを200人規模で洞爺湖周辺に集める方針だ。
      ■         ■
 ただ、会場の地理的条件やテロ対策など、
 8年前との変化に対応する必要もある。
 「史上最大の作戦」(関係者)が、
 より進化することになりそうだ。(若松聡)
      ■         ■
 1月下旬の夕方、札幌市内である会合が開かれた。
 内容はおろか、開催の事実も「話せない」(道職員)という集まり。
 厚労省と道が主催し、サミットでの救急医療態勢について協議する研究会だった。
 昨年10月に第1回が開かれ、この時が5~6回目だった。
      ■         ■
 サミットの場で首脳らに万一のことがあっては世界的一大事になる。
 それだけに不特定多数の人に情報を漏らすわけにはいかない-。
 それが秘密保持の理由だ。
      ■         ■
 だが、関係者によると、
 サミット本番では基本的には沖縄での態勢を踏まえるという。
 沖縄では、首脳会合の会場から数㌔離れた県立病院を「拠点基幹病院」とし、
 医師や看護師ら5人1組による計18の専門医療チームが24時間態勢で待機した。
      ■         ■
 会場から1㌔未満の施設には「救急医療合同対策本部」を設け、
 ICU(集中治療室)ベッドを持つバスを2台配備。
 9人の医師による
 「首脳対応チ-ム」は
 それぞれ、小型酸素ボンベやポータブル心電計などを持った。
 これらに携わった約200人は全国から集められた。
      ■         ■
 今回も200人規模で全国の医師や看護師らを集め、
 洞爺湖周辺や、高度な医療を施せる
 札幌市の病院にも待機してもらう方向という。
      ■         ■
 だだ、沖縄の時点とは事情が異なる面も多い。
 沖縄の会場は平地だっだが、
 洞爺湖の会場「ザ・ウィンザーホテル洞爺」は湖畔の山頂にある。
 周辺も山々に囲まれている。
 2001年の米国での9・11テロを経て、
 生物・化学兵器テロヘの対策も講じなければならない。
      ■         ■
 また、サミット開催時に各国首脳は
 主に「ウィンザー」で過ごすが、
 最終日には後志支庁留寿都村の国際メディアセンターで記者会見すると言われる。
 そのため、同村にも医師らを待機させる必要が出てくる。
      ■         ■
 こうした理由から厚労省は、
 複数の拠点基幹病院を決めるとともに、
 関係自治体や周辺の医療機関を救急協力病院に指定する。
      ■         ■
 前者の一つには札幌医大病院が選ばれ、
 後者もすでに内定しているというが、具体名は公表しない方針だ。
 沖縄で組織された救急態勢は、関係者から「史上最大の作戦」と呼ばれた。
 洞爺湖では、それが進化することになる。
      ■         ■
 沖縄サミットの医療チームの一員を務め、
 今回の研究会にも属する札幌医大の浅井康文・救急・集中治療部長は
 「どんな不測の事態にも対応できる態勢をつくらないといけない」
 と話している。


(以上、朝日新聞より引用)

      ■         ■

 国と北海道は万全の医療体制を準備しているようです。
 ICU設備を整えた、バスを準備して、最先端の医療が行えるのでしょうか?
 所詮(ショセン)バスはバスです。
 病院の機能すべてをバス2台で代行できるものではありません。
      ■         ■
 国が公表しなくても、洞爺湖周辺の医療機関は限られています。
 一番近いのが、総合病院伊達赤十字病院(ダテ日赤)です。
 昭和15年8月28日、創立。
 許可病床数:374床。(一般314床、精神60床、透析38床)
 脳神経外科はありませんが、麻酔科も循環器内科もあります。
 CT、MRI、血管造影撮影装置もあります。
      ■         ■
 一番、頼りになりそうだったのが、
 日鋼記念病院でした。
 ここには、優秀な救命救急センターがありました。
 札幌医大の浅井教授の医局から医師が派遣されていました。
 残念ですが、現在の日鋼記念病院では、
 ‘サミットの救急指定病院’にはなれないと思います。
      ■         ■
 札幌市内で唯一、高度救命救急センターの指定を受けているのが、
 浅井教授がいらっしゃる、札幌医科大学附属病院です。
 ここには、ヘリポートもあります。
 人的にも設備的にも、問題がない施設です。
      ■         ■
 札幌市内で、他にヘリポートを備えた施設は、
 市立札幌病院と手稲渓仁会(テイネケイジンカイ)病院です。
 手稲渓仁会病院は、親会社がサミット会場の「ザ・ウィンザーホテル洞爺」と同じSECOMです。
 あの警備保障のSECOMが親会社です。
 こう書くと、文句を言われそうですが、間違いないと思います。
      ■         ■
 私の考えでは、
 伊達日赤、
 札幌医大、
 市立札幌病院、
 手稲渓仁会病院
 がサミット救急協力病院の候補です。
      ■         ■
 浅井教授から聞いたのではありません。
 私の推測です。
 ただ、これで万全ではありません。
 霧が出て、ヘリが飛べなければ、終わりです。
 医療は、バス2台があれば、万全であるほど甘くはありません。
      ■         ■
 最先端の治療を行うには、高度な診断機器。
 手術室などの治療設備。
 有能なスタッフ。
 多数のパラメディカル。
 これらがすべて揃って、はじめて最先端の医療が行えます。
      ■         ■
 サミットで外国の首脳が急病になって…
 日本の医療体制を見直す機運が高まってくれれば…
 と、とても不謹慎なことを考えてしまいます。
 北海道の医療、日本の医療は崩壊寸前です。
 誰か、偉い人が病気になって…
 政治家が本気で考えないと、
 取り返しがつかないことになります。
 実際に北海道に住んでいる住民が困っているのです。
 外国の首脳だけ特別扱いは困ります。

 
 
 

TEL 011-231-6666ご相談ご予約このページのトップへ