医療問題

産院選び

 全国医師協同組合の機関紙、JMC News107号に掲載されていました。
 “お産難民50万人”。
 まるで「受験戦争」と
 生理が一週間遅れたら。
 第1、
 第2、
 第3、
 と調べて、
 産院の席取り競争している妊婦さんも…
 情報の乏しい初産婦は『負け組』に…
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 生理が一週間遅れた程度で、受診して予約しないと、
 人気が高い産院は、予約で埋まってしまうということでしょうか?
 札幌市内では、まだお産ができる産院がたくさんあります。
 ここまで、席取り競争をしなくてもよさそうですが、
 よい産院を選ぶのは、美容外科以上に難しそうです。
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 家内は、昭和58年に私が勤務していた、函館中央病院で上の子を産み。
 昭和60年に天使病院で下の子を産みました。
 函館中央病院は、道南の総合病院で、NICUもある立派な病院です。
 はじめての子を取り上げてくださったのは、当時の産婦人科医長だった、松浦敏章先生です。
 現在は、函館マタニティクリニックを開業なさっていらっしゃいます。
 穏やかで、優しい先生です。
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 私は、同じ病院だったので、お産の時に呼んでいただき、分娩室で生まれるところを見ていました。
 カメラを持って行き、生まれた瞬間からシャッターを切っていました。
 助産婦さんから、「さすが形成の先生!」と言われてしまいました。
 私は、内臓のことはわかりませんので、
 まず、体表面に異常がないことを確かめました。
 顔面に異常はない。
 指は5本ある、などなど…
 五体満足で生まれて安心しました。
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 下の子は、私が北大形成外科でチーフレジデントをしていた時に生まれました。
 子どもには、申し訳なかったのですが、出産には立ち会えませんでした。
 それどころか、北大病院で患者様がお亡くなりになり、
 病理解剖をさせていただいていた時に生まれたのが長男です。
 電話で、長男が生まれたことは聞いていました。
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 私が、天使病院へ行けたのは、消灯時間がとっくに過ぎてからでした。
 準夜勤務の看護婦さんに、
 今日、生まれた子供の父ですと言って、詰所を訪ねました。
 もう、夜も遅かったので、
 当然、子どもには会えないだろうと思っていました。
 不憫(フビン)に思ってくれたのでしょう、
 優しい看護婦さんが、
 新生児室のベビーコットで眠っていた長男を、
 ガラスのところまで連れてきてくれました。
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 すやすやと眠っていた、長男を一目見て、
 安心して、私は自宅へ帰りました。
 自宅では、家内の母親が、関西から来てくれていて
 上の子の面倒をみてくれていました。
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 私が、自分の子供を産んでもらうのに選んだのは、2人とも総合病院でした。
 一人目は、自分が勤務していた病院だったので、当然といえば当然。
 二人目は、札幌市内でも評判が高かった、天使病院を選びました。
 天使病院には、歴史があり、産婦人科も、小児科も、麻酔科もありました。
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 北大病院や、当時私が住んでいた、北区新琴似からも
 比較的近いという、交通の便もありました。
 もう自分の子供が生まれることはありませんが、
 孫が生まれるとしたら、どこを選ぶでしょうか?
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 20年前と現在では、医療体制も変わりました。
 自分が開業医になって、開業医ならではのよさもわかりました。
 家内は、天使病院に検診でかかった時など、
 待ち時間が長くて大変だったと言っていました。
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 帯広厚生病院や札幌医大病院に私が勤務していた時は、
 私の外来は、2時間待ちは、ザラにありました。
 それでも、私が外来を終わって、昼食を食べるのは
 早い日で、14:00。
 遅い日は、16:00にもなっていました。
 家内には、
 いい病院だから、人気があって、待ち時間も長いのさ。
 仕方がないよ。と言っていました。
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 総合病院の産婦人科は確かに安心といえば安心です。
 何かあっても、小児科、麻酔科の先生がついています。
 その代わり、待ち時間が長い、予約が取りにくいなどの‘デメリット’もあります。
 マタニティクリニックの中には、フルコースのディナーがついた産院もあります。
 札幌で一番早くに、このフルコースディナーを始めたのが、
 札幌マタニティ・ウイメンズホスピタルです。
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 そちらのHPによると、さまざまな妊婦さん向けのサービスがあります。
 総合病院では、絶対にできそうもないサービスもあります。
 自分が開業して思うことは、総合病院が必ずしもベストではない?ということです。
 ワキガの手術ではありませんが、
 私が現在行っているような‘医療’は、総合病院では絶対にできません。
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 土日も診療。
 夕方も診療。
 待合室は、個室風に仕切ってある。
 他の患者様となるべく会わないようにする。
 札幌駅から歩いて5分以内。
 総合病院ではまず不可能です。
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 特別な合併症のないお産でしたら、マタニティ専門の病院がよいと思います。
 検診は、札幌駅のJRタワーで受けて、
 お産は北大前の本院というのも、魅力的です。
 産科医や助産師さんの数、
 お産の数も総合病院より多いのには驚きます。
 もし、孫ができたら、マタニティ専門の病院にお願いしようと思います。
 (残念ながら、孫はできそうにありませんが…)
 

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