医療問題
米国の医療
私は米国に住んだこともありませんし、留学した経験もありません。
学会で知り合った先生や、米国で開業している先生から伺っただけです。
その程度の知識でも、米国の医療制度が良いとは決して思いません。
米国のようにだけは、なってほしくないと思います。
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米国で一番偉そうにしているのが、保険会社です。
医療の内容に、いちいち文句をつけて、お金を払いません。
私が学会で親しくなった医師は、‘実験的手術’だからと、
保険会社から治療費を支払ってもらえなかったとこぼしていました。
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その先生が、保険会社から治療費を支払ってもらえなかった手術は、
学会で最新の優れた手術と絶賛され、
PRSという米国形成外科学会誌にも掲載されました。
もう10年以上も前のことです。
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米国大統領選挙の争点の一つが、医療保険問題です。
平成20年1月30日の日記でご紹介した、
マイケル・ムーア監督のSickoを私は観ていませんが、
そこで問題となった、米国の状況がたくさんのブログで紹介されています。
米国、医療問題、保険と入力して検索すると、たくさんのサイトが出てきます。
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医療費の高騰。
たくさんの無保険者。
医療費が払えず自己破産。
利益至上主義に走る、保険会社、製薬業界。
こういった業界から、政治献金を受け取った議員による政策。
どれをとっても良いことは一つもありません。
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医療経営も大切です。
医療からムダをなくす努力も必要です。
限られた医療費で、効率的に医療を行うことも必要だと思います。
ただ、自分が本当に困った時に、
社会が何も手を差しのべられないような医療制度は困ります。
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四半世紀以上も医師をしていると、さまざまな方にめぐり合いました。
自分は健康で、病気なんかしないと思っている人でも
ある日突然、病気になってしまうことがあります。
医療保険というのは、
相互扶助(お互いに助け合う)という精神の下に成り立っています。
一部の人だけが恩恵を受ける、
一部の保険会社だけが、巨額の利益を上げるような制度は要りません。