昔の記憶

おでこの広さ

 私は、小学生の頃から、額が広く‘おでこ’に特徴がありました。
 小学校6年生の頃、同級生の佐藤くんが、
 本間君の‘おでこ’の広さを測ってみようと言い出しました。
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 佐藤くんも、‘おでこ’が広いほうでした。
 将来はげたら困るから、今から測っておいたほうがいいよ。
 本間君も、参考になるからね…。
 測ろうはかろう、ということになり、
 女の子も参加して、私の‘おでこ’の長さを測りました。
 正直なところ気が進まなかったのですが、佐藤くんの
 ‘ボクも測るから、一緒に測ろう’という言葉に負けました。
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 その時に、定規で測った長さが、6㎝9㎜でした。
 小さい頃は、気にしていませんでしたが、
 同級生から、‘おでこ’‘おでこ’と言われると気になります。
 私は、いつの間にか、前髪で‘おでこ’を隠すようになりました。
 日東美唄小学校は、あまり‘いじめ’がない小学校でした。
 佐藤くんが、私の‘おでこ’を測ったのも、決して意地悪ではなく、
 自分も気にしているので、一緒に測ろうという‘趣旨’でした。
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 美唄から大夕張に転校する前に、
 夕張では男子は全員丸坊主だという噂を聞かされました。
 ‘おでこ’を気にしていた私にとっては、大問題でした。
 丸刈りだけは勘弁してほしいというのが、正直なところでした。
 実際に鹿島中学校に転校してみると、丸坊主の子が目立ちました。
 美唄の茶志内中学校では、丸坊主の男子はゼロでした。
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 幸い、鹿島中学校でも丸刈りは強制されませんでした。
 でも、中学校でも、私の‘おでこ’の広さは指摘されました。
 一年生の時に、同級生のMくんが、長さを測ろうと言い出しました。
 私は、イヤだったのですが、しぶしぶ応じました。
 Mくんは、額が狭く、その代わり後頭部が出っ張っていました。
 本人もそれを気にしていて、髪で隠すようにしていました。
 当然、丸刈りは二人とも大嫌いでした。
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 中学校で測った時も、6㎝9㎜でした。
 ちなみに、今、測定してみましたが、同じく6㎝9㎜でした。
 人間の頭蓋骨の大きさはあまり変化しないようです。
 私のことを‘おでこ’。
 将来は、確実にはげるね。
 と言っていた、Mくんが、はげました。
 小学校の時の、佐藤くんには会っていないので
 その後どうなったかわかりません。
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 私は、自分が‘おでこ’を気にしていたから、
 美容外科医になったのではありません。
 ただ、他人から見ると、どうでもよいと思うようなことでも、
 本人が悩んでいるのでしたら、
 できるだけ力になってあげようと思います。
 自分が、がっかりした経験。
 自分が、困った経験。
 英語でいうと、disappointing experienceがたくさんあると
 他人の悩みも理解しやすいのかもしれません。

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