医療問題
勤務医不足と医療難民
週刊文春、平成20年3月13日号、
病院情報ファイル2008の記事です。
取材・構成 恵原真知子さん
医療ユーザー編
勤務医不足と医療難民
治る病気やけがで手遅れにならないために、
患者の側からできることとは。
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このままでは医療が崩壊する-
10年も言われ続けた事態がこの数年で現実のこととなった。
一方では勤務医の離職による診療科の閉鎖が相次ぎ、
もう一方では下の表のように大病院への一極集中などが起きている。
事ここに至って、医師の報酬引き上げなど姑息な対策が打ち出されているが、
即効性を期待する医師は多くない。
医療難民にならないため、患者にもできることがあるはずだ。
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医療の実情に目を向けながら、自衛策や有効な行動を探してみよう。
まずあげられるのは救急患者にならない努力だ。
①救急外来に搬送または駆け込む患者が、
外傷や脳卒中など突然起こる病気=本来の急患に限られれば
医療側は集中的に力を発揮できる。
患者のマナーと知恵が、
本当に救急医療を要する患者を優先させるわけで、
もちろん救急隊員の病院探し・搬送も迅速化する。
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②元気な人が体調に異常を感じたら、
早めに、診療時間内に受診することが勧められる。
それが夜間でも、自力で動けてそれで問題がなさそうなら、
救急車に頼るだけでなく、マイカーやタクシーを利用しよう。
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③慢性疾患で診療所を利用している人は、
専門的機能がある病院にもアクセスを。
例えば、糖尿病患者は心筋梗塞や脳梗塞のハイリスク群でもある。
ならば脳卒中センターや
症例数の多い心臓外科のある病院にもかかって定期受診を続けよう。
救急搬送の際にカルテがあれば、優先的受け入れを期待できるからだ。
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④妊婦も同様。産科や助産所に通っていない未受診者は受診し、
かかりつけ医をもとう。
「陣痛の徴候が出たら119番にお任せ」という女性が稀でないことが、
昨今のたらい回し(連続的な診療拒否)で明らかになった。
ジリ貧の産科に、
経過不明な初診妊婦を受け入れる余裕はないと心得よう。
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病院ボランティアも一案
次は医療に最善を求めすぎないこと。
例えば「小児は小児科に」と固執せず、
臨機応変に他診療科の受診を試みてもいい。
「以前は一般内科医で小児も診る診療所が多かったのに、
最近皆無に近い。
小児急患は急に悪化する例がある。
その見極めが難しいことを熟知し
『だから5時間待っても小児科医にかかります』
という親御さんが非常に多いのです。
が、多数を占める日常的な小児急患は
一般内科医も対応してきたのです。
一時しのぎでも先に内科医の診療を受け、
翌朝小児科に向かう柔軟性も必要」
とは小児科のベテラン、谷風三郎医師の弁。
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こうした“5時間待ってもかかりたい”病院とは、
ランク本などで常連の優良ブランド病院や大学病院、
専門病院などのこと。
医師の研修や就職・転職先としての希望も多い、
いわば時流に乗った勝ち組だ。
とはいえ医師の激務ぶりは変わらず、
通常の人員より何割か余計な医師を要する
シフト勤務を導入する経済的余裕のある病院は滅多にない。
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さらに医師不足が最も深刻なのは自治体立病院だが、
これは一定の医療レベルが保たれた地域住民の拠り所でもある。
健全な運営が望まれながらも、
医師が公務員であるシバリがネックとなって低迷している。
患者としては、どの病院を選ぶにしろ、
その特徴を知っておくことだ。
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いざというときの一番近い施設とも細く長いつきあいを。
例えば病院ボランティアはその機能を知りつつ、
病院の助けにもなる道だ。
退職した企業戦士のセンスを
医師の雑務や無駄な会議の整理などに役立てることを、
病院側も期待しているのではないだろうか。
協力を申し出てみませんか?
(以上、週刊文春より引用)
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国の政策に任せておいたら、
救急医や産科医になる医師はいなくなります。
現在の臨床研修制度が始まる前から、
地方病院の医師不足は危惧されていました。
まず、大学病院で研修を受ける人が減ることは予測できました。
われわれの間では、
「どうするんだろう~ねぇ~、研修医がいなくなるよ」
なんて話していました。
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私は、自由競争社会ですから、
国が強制して医師を地方や僻地に勤務させるのはよくないと思います。
医師にも、職業選択の自由(診療科目や勤務地を選ぶ自由)
があってしかるべきだと思います。
地方の自治体病院に勤務する医師が増えるように、
待遇や環境を整備すべきです。
魅力的な勤務地には人が集まります。
徴兵制度のように、僻地勤務を義務化しても、
優秀な人は医師にならなくなります。
国民が健康で文化的な生活を営めるような政策を立案するのが、
政治家の役割です。
経済政策を含めて、優秀な政治家に登場して欲しいものです。
回線不具合により、日記の更新が遅れましたことをお詫び申し上げます。