医療問題

わきがで入院手術

 ワキガ手術は入院が必要です。
 『どの位?入院するのですかぁ?』
 そうですねぇ、約一週間程度です。
 『一週間も入院するのですかぁ?』
 はい、一週間の入院です。
 総合病院に勤務していた頃の説明です。
 不思議と、
 『美容外科では通院でできるのに…、何で入院なんですか…?』
 と質問された覚えは一度もありません。
 それだけ、総合病院は権威があったのでしょうか…?
      ■         ■
 総合病院の形成外科では、入院手術をすすめます。
 ワキガで入院するのは、日本の形成外科だけです。
 保険制度で、入院費が無制限に認められているからです。
 入院していただいた方が、病院も儲かり、
 医師も安心して手術ができるからです。
      ■         ■
 ワキガ手術の後には、トラブルが発生することがあります。
 一番イヤなのが、血腫(ケッシュ)という血がたまるトラブルです。
 私は、市立札幌病院に勤務していた時に使用した、
 持続吸引装置という器具のトラブルで始末書を書いたことがあります。
 その後に、自分独自の方法を研究して
 血腫によるトラブルはほぼゼロになりました。
 入院して手術をしていただくと、
 夜間も当直の看護師さんがいてくれるので、
 医師は、自宅に帰って寝ることができます。
      ■         ■
 近い将来、DPCという、病名や治療内容で単価が決まる、
 包括医療制度になったら、必ず変わります。
 この制度は、盲腸(正確には急性虫垂炎)で手術なら○○万円。
 中耳炎の手術なら○万円というように、
 病気や手術によって支払う価格を国が決めてしまう方式です。
 入院していただくと、経費がかさみ病院が損をしますので
 ワキガ手術で入院する病院はなくなります。
      ■         ■
 以前の日記にも書きました。
 ワキガ手術で入院したとします。
 手術後はベッドの上で安静にしているだけです。
 個室には、まず入れません。
 たいては、重症の患者様で満室です。
 運良く空いていたとしても、個室料金がかかります。
      ■         ■
 病院へ入院すると、同室の人と挨拶をします。
 こんにちは!
 よろしくお願いします。
 なるべく手術のことには触れず、そっとしておいて欲しい…
 どうかバレませんように!
 お隣のベッドには、眼科の患者さんが入院していることもあります。
 運悪く、知っている人に会ってしまうこともあります。
      ■         ■
 病院の中で、誰かに合ったらどうしよう…
 売店に行きたいけど…
 誰かに合ったらどうしよう…
 どきドキびくビクしながらの入院生活です。
      ■         ■
 入院して手術をうけたからといって、
 全く完璧にキレイに治るのではありません。
 その後のケアーが必ず必要になります。
 ご自身のケアーによって、キズの治りが違ってきます。
 入院するメリットは、安静が保障されることでしょうか?
 それなら、自宅で好きなTVでも見ている方が
 よほど楽チンです。
      ■         ■
 自分自身の反省もありますが、
 実際に開業医になってみると、
 通院でできる手術がたくさんあります。
 不必要な入院手術をしていたため、
 高額の医療費を無駄にしてしまったと反省しています。
 医療費の高騰に悩む厚生労働省は、
 一般人の目でみて、
 『なぜ?おかしい?』と思うことを改革するだけでも
 かなりの医療費を削減できると思います。

“わきがで入院手術”へのコメントを見る

TEL 011-231-6666ご相談ご予約このページのトップへ