医学講座
美容外科のお客様②
この日記を書きはじめた頃に、一度書いたことがあります。
平成18年10月30日の日記です。
美容外科のお客様は、
きれいで年齢より若く見える方が多いのが特徴です。
若くてキレイなら美容外科へ行く必要がない、
と思われる方がいらっしゃるかもしれませんね。
生まれつき美人でキレイな方も歳をとります。
どんなに美人でも、
手間と暇とお金をかけなければ美しさを保てません。
女優さんがいくつになってもキレイなのには理由があります。
努力なさって手間も暇もお金もかけていらっしゃるからです。
■ ■
最初の頃の日記は、この程度でした。
もう少し付け加えます。
若くてキレイな方でも、美容外科を受診されます。
‘医学の力’を借りて…
もともとのキレイに磨きをかけます。
言われなければ、
どこをどう‘お直し’したか全くわかりません。
■ ■
私たち、形成外科医は事故でケガをなさった方とか…
生まれつき、口唇とか指とかが…
他の子どもと、少し違うとかの…
いわゆる‘病気’の治療を得意とします。
美容外科は…
『美しい人をより美しく!』です。
つまり、スタート時点が違うのです。
健康で正常な方に‘治療’を施す(ホドコス)のが…
美容外科です。
■ ■
形成外科は確かに、
技術的に優れたものを持っています。
技術力があるので、
『あなたの目は切った方がよいです』
と自信を持って言えます。
ところが…
たとえ、医療従事者でも
『切るのが怖い!』
という方もいらっしゃいます。
■ ■
ここで、形成外科と美容外科の違いが出ます。
形成外科医は、
『あなたの目は、下垂していて、黒目が隠れています。』
『埋没法でプチ整形をしても、すぐにとれます。』
『私は切開する手術をおすすめします。』
『糸で留める手術はダメですょ』
美容外科医は、
『切るのは誰でも怖いものです。』
『糸で固定する手術は、数年後に元に戻る可能性があります。』
『ただ、腫れは切る手術より少ないです。』
『2~3日もあればお仕事にも復帰できます。』
『まず糸で固定する手術をしましょう。』
■ ■
形成外科医と美容外科医は、
このくらいの違いがあると、私は考えています。
私は、まだまだ形成外科医の領域です。
なかなか美容外科医になり切れません。
この違いに悩みます。
さくらんぼさん、わかっていただけますか?