昔の記憶

人生の師

 私が札幌医大写真部で
 ‘人生の師’と仰ぐ先輩が水谷羊一先生です。
 水谷先生は、秋田県角館(かくのだて)町出身。
 みちのくの小京都と呼ばれる、
 桜の美しい町です。
 早稲田大学商学部を卒業後に、
 札幌医大に入学されました。
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 当時の札幌医大は、他大学を卒業していても、
 歯科医師免許を持った人以外は、
 全員、1年生から入学し全科目を履修(リシュウ)しました。
 年令は私より6歳年上でしたが、
 学年は1年上でした。
 とても面倒見のよい先輩で、
 『水谷さん、みずたにさん』
 と全員から慕われていました。
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 全国どこの医学部でも同じですが、
 医師国家試験を受験するまで、
 全員が同じ勉強をします。
 将来、内科になる人も耳鼻科になる人も、
 すべての科目を勉強するのが医学部です。
 入学後も定期試験が厳しく、
 当時の札幌医大では、
 1科目でも落とすと(不合格となると)、
 翌年、すべての科目を再履修しなければなりませんでした。
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 進級判定も厳しく、
 100人の入学者のうち、6年間で卒業するのは、
 毎年、80%台でした。
 つまり、毎年、数人が進級できず…
 下の学年に落ちて行きました。
 勉強そのものも、予備校のように‘熱心な’先生は少なく、
 学生は自分で勉強するものという方針でした。
 入学はしたものの、
 5月病に罹って体調を崩す学生もいました。
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 医学部の勉強は、とにかく丸暗記です。
 解剖学を例にとっても…
 頭の先からつま先まで、
 すべての構造と機能を丸暗記。
 しかも、日本語、英語、ラテン語で覚えます。
 かなり要領よく効率的に勉強しないと落第です。
 水谷先輩は、この勉強法を教えてくれました。
 また、過去の試験問題や教授の傾向などなど…
 同じ勉強するなら効率よく能率的に…
 と教えてくれた先輩でした。
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 19歳~24歳までの6年間は、
 勉強ばかりではなく、
 生涯の伴侶となる相手を見つける時期です。
 つまり、彼女(彼)を見つけて、
 仲良くなる時期です。
 水谷先輩は、
 彼女の見つけ方、
 女性との付き合い方、
 などなど、
 人生に必要な、さまざまなことを教えてくれました。
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 この時期にどういう先輩と付き合い、
 どういう影響を受けて、
 どういう生き方をするか、
 という方向性が身につくと思います。
 水谷先輩は、
 明るく前向きで真面目な先輩でした。
 私が困っていると、
 『本間、どうした?』
 と気さくに声をかけてくださる先輩でした。
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 私の生き方は、この水谷先輩に影響を受けました。
 水谷先輩は、札幌医大を卒業後、
 秋田大学整形外科に入局されました。
 現在は、秋田市で城東整形外科を開業されています。
 秋田県で、もっとも流行っている整形外科だと思います。
 昨夜は、整形外科学会で札幌へいらした水谷先生を囲んで、
 写真部の仲間が集まりました。
 とても楽しい夜でした。 


写真部の仲間
前列、向かって左端が水谷羊一先生です。

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